東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 27

ページ: 27

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【右丁・上段】 一ばんに手がけ二ばん三方三に 引わたし也。しやく人出。盃の三方 をむこのかたへむき。立まはりて 其まゝ娘のまへにをく。かひぞへ の上ろう盃をとり。酒をうけ 娘にわたす。よめとりてくはへて のむ也。扨むこのかたへ持てゆく むこ三度のむ。しやく人盃をとり 下二つの盃を取かへ。あたらしき 盃を上へかさねて。娘のかたへ行 右のことく三度くわへ。又むこの 前にをく。又三度のみおさむる也 しやく人。盃も三方も取入る 其時むこ座を立也。扨雑 煮出て後。よめと侍上らう さかづきこと有べし 【右丁・下段】 はあてなる男もたりけり。いやしき男《振り仮名:も|女也》たる。しはすの晦日にうへ のきぬをあらひて。手づからはりけり。心さしはいたしけれど。さるいやしき わざもならはざりければ。うへのきぬのかたをはり《振り仮名:やり|やふりて也》てげり。せんかたも なくて。たゞなきになきけり。是をかのあてなる《振り仮名:男|なり平也》聞て。いと心 くるしかりけれは。いと《振り仮名:きよら|あたらしき也》成。ろうさうのうへのきぬを見出てやるとて 古今   此草の色こきときはめもはるにのなる草木ぞわかれざりける むさし野ゝこゝろなるべし 四十二 昔。色好みとしる〳〵。女を《振り仮名:あひい|かたらひたる也》へりけり。《振り仮名:されどにくゝはたあらさり|我計を頼ましきものとしりなからにくからぬ也》 切かてもまた也 けり。《振り仮名:しば|さい〱也》〳〵いきけれど。猶いとうしろめたく。さりとて《振り仮名:いかではた|ゆかてもまた也》え 有まじかりけり。《振り仮名:なをはたえあらざ|われといさめてすてんと思へとすてかたき也》りける中なりけれは 。ふつか三日ばかり。さはる事有てえいかでかくなん   出てこし跡だにいまだかはらじをたがかよひぢと今はなるらん ものうたがはしさによめる成けり 【左丁・上段】 きやうのせんのづ 二十 左        おき鳥 【挿絵】   【挿絵】     三つさかつき 饗  梅  こい   ■■      食 【挿絵】   【挿絵】 手掛 右   おき鯉 【左丁・下段】《振り仮名:|》 四十三 むかしかやのみこと申すみこ。おはしましけり。そのみこ 《振り仮名:女をおぼし|恋にあらすあはれみ給ふ也》めして。いと《振り仮名:かしこ|かたじけなく也》くめぐみつかう玉ひける を。《振り仮名:人聞つけて|又かよふ人有となり平聞付て也 》文やる。ほとゝぎすの《振り仮名:かたを|ゑにかきて也》かきて   郭公ながなく里のあまたあれは猶うとまれぬ思ふものから といへり。この《振り仮名:女気しきをとり|われをなりひらのうたかふときけんをとる也》て   名のみ立しでのたをさはけさぞ鳴いほりあまたとうとまれぬれは 時は五月になん有ける男かへし   いほりおほきしでのたをさはなを頼む我住里に声したへすは 四十四 むかしあがたへ行人に。馬のはなむけせんとてよびてうとき 人にしあらざりけれは。家どうしさかずきさゝせて。女のさう 《振り仮名:ぞくかづけん|から衣なるへしやる也》とす。あるじの《振り仮名:男|なりひら》哥よむで《振り仮名:ものこし|裳腰ナリ》にゆひつけさす   出て行君が為にとぬぎつれば我さへもなく成ぬべき哉 此哥は有が中に面白けれは。心とゞめて《振り仮名:よますはらにあちはひて|女によまする也一ふかく腹中にきんみしてよみしとの心也》