東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 29

ページ: 29

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【右丁・上段】  祝言の夜膳部 一ばん手がけ。二ばん三ぼう 三ばん引わたし。其次に わた入のすひ物。そのつぎ うちみ其つぎざうになり もちは。切もちなるべし 其次。ひれのすひ物。鯛也 さて饗(きやう)の膳(ぜん)七五三也 いつれも図(づ)にあらはす。右 つぎ〳〵の間酒三ごんづゝ くひ物はくふまねをする也 かならずくはぬもの也 七五三のくひやうは。右にて はしをとり。食をとり上て 二はし三はしくひ。さて はしをもちながら。右にて 【右丁・下段】   めかるともおもほへなくに忘らるゝ時しなけれは面影にたつ 四十七 むかし。男ねん比にいかでと思ふ女有けり。されど此男を あだなりと聞て。つれなさのみまさりつゝいへる 古今   大ぬさの引手あまたに成ぬれは思へどえこそたのまざりけれ かへし おとこ 同 おほぬさと名にこそたてれ流てもつゐによるせは有てふ物を 四十八 昔。男有けり。馬のはなむけせんとて。人を待けるにこさりければ 古今   今そしるくるしき物と人またんさとをはかれずとふべかりけり 四十九 むかし。男いもうとのいと《振り仮名:おかし|うつくしき也》げなるを。見をりて   うらわかみねよけにみゆる水草を人のむすばんことをしそ思ふ ときこえけり。かへし   初草のなどめづらしき言のはぞうらなく物を思ひける哉 五十 むかし。おとこ有けり。うらむる人をうらみて   《振り仮名:鳥の子をとを|上の句なるましきことをたとへた■》つゝとをはかさぬとも思はぬ人を思ふものかは 【左丁・上段】 物くひやう 【挿絵】 【左丁・下段】 といへりければ   《振り仮名:朝露はきへのこりても|上の句有ましきことをたとへたり》有ぬべし誰か此世を頼みはつへき 又男   《振り仮名:吹風にこその桜は|上の句有ましきことをいへり》ちらずともあなたのみがた人の心は 又女かへし 古今   行水にかずかくよりもはかなきは思はぬ人を思ふなりけり 又おとこ   ゆく水とすくるよはひとちる花といづれまててふことを聞らん はかなきことをいひくらふる也 《振り仮名:あたくらべかたみ|はかあなきことをいひくらふる也》にしける。男女の忍びありきしこと成べし 五十一 むかし。おとこ人のせんざいに菊うへけるに 古今   うへしうへは秋なき時やさかざらん花こそちゝめ【諸本は「ちらめ」】ねさへかれめや 五十二 昔。男有ける。人のもとよりかさなり粽【諸本は「飾り粽」。拾穂抄も「かさなり粽」】をこせたりける返事に   あやめかり君はぬまにぞまどひける我は野に出てかるぞ侘しき とてきじをなんやりける 五十三 昔。あひがたき女に逢て物語などする程に鳥の鳴ければ   いかでかは鳥の鳴らん人しれず思ふ心はまだ夜ふかきに