東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 3

ページ: 3

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【右丁・上段】 男火女火大きにわろし子あれ共いしよくは たらかずしてくぜつ事有但くわう神をまつりよし 歌に ひにならびこひしき事はいやまして    かゝるあそびにあふぞくやしき 男火女土大に吉子三人か九人ふつきにして命 長しくわう神をまつるべし此子内三人置を立べし 歌に あひそめし心をふかくむすびてし    君がなさけのわすれがたさよ 男火女木よし子二人か八人ふつきにしてよ しうぢ神をまつりて吉牛馬にえん有 歌に たのもしさかく過なんと思へども    ごせをねがふぞわびしかりける 男火女金大にわろし但半吉子二三人有 いしよく共にとぼしき也但人にしらる事有 歌に いつしかと思ひわするゝひまもなく    物おもふ事ぞわびしかりける 男火女水大にわろし子あれ共ひん也衣 食共にとぼしくぜつおほし三人の内一人わろし 歌に もろともにあふが心はなけれども    わか身ひとつにむまる子はなし 【右丁・下段】 ○むめがえだにこそ鶯(うぐひす)はすをくへかぜふかばいか にせん花にやどるうぐひす ○花ちる里のつれ〴〵たえ〳〵のことの 音花たちばなの袖のかに山ほとゝぎすおとづるゝ ○思ひねのゆめのま枕にちぎる明がたさめてそ もとのつらさにて泪(なみだ)の外はあらじな ○さよふけてなくちどり何を思ひあかしね浮(うき) 世をすまの恨にて我とひしき源かな ○しらまゆみのまゆみのそるべきはそらひで八 十のおきなの恋にこしをそらひた ○みほの松風ふきたへておきつなみもあらじな 水にうつろふ月ともに詠(ながめ)につゞくふじさん   〇心づくし 又おこかまのきよくともいふ ○心づくしの秋風にすまのうらはをなみ枕衣 かたしき独(ひとり)ねて夢もむすはぬよな〳〵 ○ふる里をはる〴〵とへたてゝこゝにすみた川都 【左丁・上段】 男土女土半吉はじめよし後(のち)わろし子三人 あれども何事も思ふに力なし万やまひ有 歌に 身をくだきむねをほのほにこがせ共    いけるかいなきわが身なりけり 男土女金大によし子九人有でんばくに付吉 つねにかまの神をまつるべし心のまゝにめてたし 歌に にしひがしふたりが中にくらたてゝ    さけのいづみのわくとおもへば 男土女水大にわろし何事も心ならす子なし 物を打をとすやうに力(ちから)なし氏神(うぢがみ)をまつるべし 歌に つち水はくさ木のたねときゝつるが    いかにわれらはむまれ子もなき 男土女木半吉也はじめはまつし後はよし子五人 さふらひは知行を持あき人は金銀をもつべし 歌に つちと木はそんの有なる中なれど    いのれば神のめぐみありけり 男土女火大によし子五人いしよく共おほし 何事も心のまゝにむびやうにしていのちながし 歌に あらうれしいとゞたのしきわか身もかな    よろづの物にとほしからねば 【左丁・下段】 とりにことゝはん君はありやなしやと ○夏(なつ)の夜のあけぼの夢をさますほとゝざす 白妙(しろたへ)にみゆるは月にさゆるうのはな ○霧(きり)にたゝずむ小車(をくるま)やつしてたてるおぐ るま人め忍ぶのちぎりこそ受(うけ)て閨(ねや)の通路(かよひぢ) ○あすか川の水上(みなかみ)を硯(すゞり)の水にせきいれて かくことのはゝ尽(つく)まじかけふを暮さむ命かは ○契(ちき)りしよひのたそかれしるべふかきそらだき とめ入/方(かた)の荻(はぎ)の戸(と)を開(ひらく)や袖のうつりが   ○太平(たいへい) 又たいへいらく共いふ        又ひなつちのきよくとも云 ○天下太平長久(てんかたいへいちやうきう)におさまる御代(みよ)の松風(まつか)ひな づるはちとせふるは台【谷ヵ】のながれにかめあそぶ ○人しれぬちぎりはあさからぬ物おもひつゝむと すれどむらさきの色に出るそはかなき ○はかなくもくまなき月をいかでうらみしとに かくにわか袖にたえぬなみだの夕ぐれ