東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 32

ページ: 32

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【右丁・上段】 【挿絵】 【右丁・下段】 といふを《振り仮名:いとは|女の心に也》づかしと思ひて。《振り仮名:いらへも|返事せぬ也》せてゐたるを。などいらへも せぬといへば。涙のこぼるゝにめも見えず。物もいはれずといふ   是や此我にあふみをのがれつゝ年月ふれどまさりがほなき といひて。きぬぬぎてとらせけれど。すてゝにげにけり いづちいぬらんともしらず 六十三 むかし。《振り仮名:世心つける|色このむ心つける也》女。いかて心なさけあらん男に。あひえてしがなと 思へどいひ出んもたよりなさにまことならぬゆめゆめがたりをす。子三人(ミタリ)を よびてかたりけり。ふたりの子は《振り仮名:なさけなく|見くるしく思へるなるへし》いらへてやみぬ。さぶらう成け る子よき御 ̄ン男ぞいでこんと《振り仮名:あはする|夢合する也》に。此女に。此女《振り仮名:けしき|よろこふ也》いとよし。《振り仮名:こと人|三郎か心也》は いとなさけなし。いかで此在五中将に《振り仮名:あはせ|わか母を》てしがなと思ふ心あり 《振り仮名:かりしあ|なりひらかりして也》りきけるに《振り仮名:いき|三郎也》あひ道にて《振り仮名:馬の口|なり平の馬也》をとりて《振り仮名:かう〳〵|かやう〳〵に母の思ふ》 なん思ふといひければあはれがりて《振り仮名:きてねに|なり平ゆきて也》けり。さて後男見へ ざりけれは女男の家にいきて。かひまみけるを。男ほのかに見て 【左丁・上段】 さかづきをとる事は。みぎの ひざをかさね。左の手をつき 右の手にて盃をとり。そと いたゞきのみ給ふべし。さかな は右の手にうけ。はながみ をとり。折ながら其中へ入 わきにをき。立申時もちて 出べし。のみたる盃を。だい の上にをくべからず。だいの右 のかたに。たゝみのうへにをく也 しやく人とりてだいにすへて むかふへまいらする也。さかなは 何よりも手のよごれぬ物を すこしはさみて。はしをむへ かふの方にをくべし。我方へ をくべからず 【左丁・下段】 【挿絵】