東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 33

ページ: 33

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【右丁・上段】   物くふべきしだい 一ぜんのつけめ   《割書:是はせんをすへる時きうじ|する人に目を付まじき也》 一せんのわたり目 一さいのわたりぐひ   《割書:さいを二いろも三色もくふ|ましき也》 一まめのよこばし   《割書:まめにかざらずよこばしに|くふは見ぐるしき也》 一はしをと  一口おと 一はしのふりよごれ 物くふははれがましきもの なりつね〴〵きを付てたし なむべきこと也。しるわんの内 くひさかして見ぐるし。惣じ て男らしくないやうにし し■るしく見ゆるがよき也 【右丁・下段】   百とせに一年たらぬつくもがみ我をこふらし面影にみゆ とていでたつけしきを《振り仮名:見て|女がみて也》。《振り仮名:むば|いはら也》らからたちにかゝり て。《振り仮名:家にきて|女わか家にかへりきて也》うちふせり。おとこかの《振り仮名:女のせしや|なり平もかいまみたる也》うに忍ひ てたてり【諸本には「て」あり】見れは。女なげきてぬとて 上句古今   さむしろに衣かたしきこよひもや恋しき人にあはでのみねん とよみけるを。男あはれと思ひて其夜はねにけり。世の仲の れいとして。思ふをは思ひ。思はぬをは思はぬものを。此人は思ふ をも思はぬをも。けぢめせぬ心なん有ける 六十四 むかし。おとこ女みそかにかたらふわざもせざりけれは いづくなりけん。あやしさによめる   吹風に我身をなさは玉すだれひまもとめつゝ入べき物を かへし   とり留ぬ。風には有とも玉すだれたがゆるさばかひまもとむべき 六十五 昔。大やけおぼしてつかふ玉ふ女の。色ゆるされたる有けり。大みや 【左丁・上段】 うふやのかさり 【挿絵】 【左丁・下段】 《振り仮名:す所|染殿の后也》とて《振り仮名:います|おはします也》かりける。いとこ成ける殿上にさふらひける在原成 ける《振り仮名:男|なり平也》の。まだいとにかゝりけるを。《振り仮名:此女|二条の后也》あひしりたりける男女がた ゆるされたりけれは《振り仮名:女の|二条の后也》ある所にきて。むかひをりければ女いと かたはなり。身もほろびなん。かくなせそといひけれは 新古今   思ふには忍ぶることぞまけにけるあふにしかへばさもあらはあれ といひて。《振り仮名:ざうしに|女ほうの房也》おり玉へれは。例の此みざうしには人のみるをもしら てのほりゐければ。此女思ひわびてさとへ行。されは何のよきことと思ひ て。いきかよひければ。皆人聞て笑ひけり。《振り仮名:つとめて|つぎのあした也》とのもづかさのみるにくつ とりてをくになけ入て《振り仮名:のぼり|御殿にのほる也》ぬ。《振り仮名:かくかたはに|かやうに放埓のさまにて有わたる也》【諸本「し」あり】つゝ有わたるに。身もいた づらに成ぬべけれは。《振り仮名:つゐにほろひぬへしとて|二条の后のさきの詞にて思ひ合わせし也》。此男いかにせんわか かゝる心やめ 玉へと。仏神にも申けれどいやまさりにのみ覚えつゝ。猶わりなく恋しうのみ 覚へけれはおんやうじかんなぎよびて。恋せしといふはらへの具してなん《振り仮名:いきける|川辺へゆく》 はらひけるまゝにいとゞかなしきこと数まさりて。有しよりげに恋しくのみ覚へけれは