東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

伊勢物語大全 - 翻刻

伊勢物語大全 - ページ 34

ページ: 34

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【右丁・上段】 さん所のてい 【挿絵】 【右丁・下段】   恋せじとみたらし川にせしみそぎ神はうけずもなりにけるかな といひてなんいにける此《振り仮名:みかど|清和帝也》はかほかたち。よくおはしまして 仏の御(ミ)名を御 ̄ン心に入て。御 ̄ン声はいとたうとくて。申玉ふを聞て女 はいたうなきけり。かゝる君につかうまつらで。《振り仮名:すくせ|さきの世也》つたなくかなしき こと。此男にほだされてとてなんなきける。かゝる程にみかど聞し召つけて 《振り仮名:此男をはながしつ|なり平流されしこと国史に見へす》かはしてげれは。此女のいとこのみやす ̄ン所。《振り仮名:女をはま|きん中を出す也》 かでさせて。くらにこめてしほり玉ふけれは。くらにこもりてなく 古今   あまのかるもにすむ虫の我からとねをこそなかめ世をは恨みじ となきをれば。此男は人の国より。夜ごとにきつゝ。笛をいと面白く吹 て声はおかしうてぞ哀にうたひける。かゝれは此女はくらにこもりながら それにぞあ ̄ンなるとは聞と。あひ見るべきにもあらでなん有ける   さりともと思ふらんこそかなしけれ有にもあらぬ身をしらずして と思ひをり。男は女しあはねは。かくしありきつゝ人の国にありきてかくうたふ 【左丁・上段】 女は人に嫁(か)してより。懐(くわい) 妊(にん)の事を心にかけ。つね に夫(をつと)にまじはる時たしなむ べし。風雨はげしき時には かみなり。地しん。仏神の 像(ざう)のまへ。かやうの所をけがさ ぬやうにすべし。此つゝしみ なけれは。かならず難産(なんざん)に して。子もたん命(めい)か。病(やむ)か かたはものかをうむ也。かたく おそるべし。扨まさしく くわいたいとしるならは。心に 神仏をたのみ。ずいぶん信 をなし。心を正直(しやうじき)にして目に あしきものをみず。いかりを 止さず。聖人(せいしん)賢人(けんじ)のをしへ 【左丁・下段】 【挿絵】