翻刻
亀頭(あたま)より。胴中(どうなか)まで唾(つばき)をぬり。また玉門(ぎよくもん)へも唾(つば)をぬりて。やがておしあてが
ひ。ちよこ〳〵〳〵と。小刻(こきざ)みに突(つき)給ふに。音勢(おとせ)は眼(め)をねぶり歯(は)をかみしめ。左右(さいう)の手(て)に
て吉光(よしみつ)が。脊中(せなか)をしつかり抱(いだ)きしめ。たゞハア〳〵との息(いき)づかひ《割書:光|》〽どうだ痛(いた)いか《割書:おとせ|》〽イゝエ
《割書:光|》〽モウちつと強(つよ)くしても宜(いゝ)か《割書:おとせ|》〽ハイ宜(よう)ございます《割書:光|》〽夫(そん)なら些(ちつと)持(もち)あげやれ《割書:おとせ|》〽持(もち)
あげるとはどういたすのでございます《割書:光|》〽ハゝゝ何卒(どう)するとつて下(した)から上(うへ)へ持(もち)あげるのサ《割書:おとせ|》〽それ
じやア斯(かう)でございますかエ《割書:光|》〽アレそりやアたゞ動(うご)く斗(ばか)りだ。マア〳〵出来(でき)ざアそれでも宜(いゝ)トいひツゝ
すか〳〵突(つき)給へば可得(さすが)の大物(たいぶつ)半(なかば)を過(すぎ)て。やゝ根元(ねもと)まで入(い)らんとするとき。此方(こなた)の間(ま)にて声(こゑ)
高(たか)く〽ヲヤまアおまへは佐栗(さぐり)さん怪(けし)からない吾儕(わたし)は否(いや)だヨ。お前(まへ)はとんだ贋者(にせもの)だ。左様(さう)とは
しらず取乱(とりみだ)したが。今更(いまさら)に恥(はづ)かしい。吾儕(わたし)はきかぬきゝませんト泣声(なきごゑ)出(だ)して叫(わめ)き立(たつ)るを。吉(よし)
光(みつ)不意(ふい)と耳(みゝ)にいり。扨(さて)は佐栗(さぐり)が長居(なかゐ)して。縡(こと)発覚(あらはれ)しかこは便(びん)なし。と暫時(しばし)腰(こし)を
つかひ止(やめ)て。聞(きゝ)給ふほどに音勢(おとせ)も聞(きゝ)つけ。常(つね)にあらざる母(はゝ)の声(こゑ)。訝(いぶ)かれば吉光(よしみつ)が。今(いま)は包(つゝ)む
によしもなく。在(あり)やうは箇様(かう〳〵)々々と。縡(こと)の稍(しだい)を告(つげ)給へば。音勢(おとせ)は聞(きゝ)ていかにせん。左様(さう)とは
現代語訳
亀頭から胴中まで唾を塗り、また玉門へも唾を塗って、やがて押し当てて、ちょこちょこちょこと小刻みに突き入れた。音勢は目を細め歯を食いしばり、左右の手で吉光の背中をしっかりと抱きしめ、ただはあはあと息遣いを荒くした。
「どうだ、痛いか」
「いいえ」
「もう少し強くしても良いか」
「はい、よろしゅうございます」
「それなら少し持ち上げやれ」
「持ち上げるとはどういたすのでございますか」
「はは、どうするかって、下から上へ持ち上げるのさ」
「それではこうでございますかえ」
「あれ、それはただ動くだけだ。まあまあ、できなければそれでも良い」
と言いつつ、すかすかと突き入れると、さすがの大物も半分を過ぎて、ようやく根元まで入らんとするとき、こちらの間で声高く、
「おや、まあお前は佐栗さん、けしからない、私は嫌だよ。お前はとんだ偽者だ。そうとは知らず取り乱したが、今更恥ずかしい。私は聞かぬ、聞きません」
と泣き声を出して叫び立てるのを、吉光は不意に耳にした。さては佐栗が長居して、事が発覚したか、これは不都合だと、しばし腰を使うのを止めて聞いていると、音勢も聞きつけて、いつもとは違う母の声を怪しんだ。吉光は今は包み隠すにもよしもなく、有様はこうこうこうと、事の次第を告げると、音勢は聞いていかにしようかと、そうとは
英語訳
He applied saliva from the glans to the shaft, and also applied saliva to her jade gate, then pressed against it, thrusting in small, quick movements. Otose narrowed her eyes and clenched her teeth, firmly embracing Yoshimitsu's back with both hands, breathing heavily.
"How is it? Does it hurt?"
"No."
"May I go a little stronger?"
"Yes, that would be fine."
"Then lift up a little."
"What do you mean by lift up?"
"Ha ha, what do I mean? Lift up from below to above."
"Then is it like this?"
"Ah, that's just moving. Well, well, if you can't do it, that's fine too."
So saying, he thrust smoothly, and his impressive member passed the halfway point, nearly reaching the base, when from the other room came a loud voice:
"Oh my, you are Saguri-san! How outrageous! I don't want this! You are nothing but an imposter! Not knowing this, I became flustered, but now I'm so ashamed. I won't listen, I won't listen!"
She cried out in a tearful voice. Yoshimitsu suddenly heard this. So Saguri had stayed too long and the matter was discovered - this was inconvenient. He stopped moving his hips for a while and listened. Otose also heard it, and finding her mother's voice unusual, became suspicious. Yoshimitsu could no longer conceal anything, and told her the whole situation as it was. Hearing this, Otose wondered what to do, not knowing that...