翻刻
御目候 御指図頼入候 以上
五月六日
一五月十二日依召御登城 仙菊様《割書:中務大輔様|御嫡子》出羽守《割書:綱|隆》様大和守《割書:直|矩》様《割書:ニ》茂
御登城被成候処御老中列座
昌親様兼而御頼之通仙菊様御養子《割書:ニ》被仰出旨御達有之
但中務大輔《割書:昌|勝》様《割書:ニ》茂御登城可被成之処御腹痛《割書:ニ》付
御登城無之
一同月十四日江戸表ゟ之御使荒川半太夫福井《割書:江》着 御家老永見
志摩守《割書:通|洪》狛木工之允《割書:貞|澄》半太夫同道 浄光院《割書:江》罷越於御霊前御願之通
御家督無相違
昌親様《割書:江》被仰出候旨申上 夫ゟ於御泉水御屋敷御家老御城代
列座御家督無相違被仰出難有被思召候 乍去
思召趣茂有之候得共上意重ク段々御品御分被仰出上者
不被及兎角旨扨又但馬守様《割書:ニ》御座候御方様之儀者曽以
不被為成候事故其外御養子被成度被思召候 従
上被為仰付被下候様《割書:ニ》与御願御老中迄被仰達候旨月番
飯田主米諸士《割書:江》申渡之
現代語訳
御目にかけ候。御指図頼み入り候。以上
五月六日
一、五月十二日、召しによって御登城。仙菊様(中務大輔様の御嫡子)、出羽守(綱隆)様、大和守(直矩)様にも御登城なされたところ、御老中列座。昌親様が兼ねてより御頼みの通り、仙菊様を御養子に仰せ出だされる旨、御達しがあった。
ただし中務大輔(昌勝)様にも御登城なされるべきところ、御腹痛につき御登城なし。
一、同月十四日、江戸表からの御使者荒川半太夫が福井へ着く。御家老永見志摩守(通洪)、狛木工之允(貞澄)が半太夫に同道。浄光院へ参り、御霊前において御願いの通り御家督相違なく昌親様へ仰せ出だされた旨を申し上げる。それより御泉水の御屋敷において御家老、御城代列座。御家督相違なく仰せ出だされありがたく思し召され候。しかしながら思し召しの趣もございましたが、上意重く段々御品を御分け仰せ出だされた上は、とやかく及ばざる旨。さてまた但馬守様におられる御方様の儀は全く御為しになられないことゆえ、その外御養子をなされたく思し召され候。上よりお仰せつけくださるようにと御願い、御老中まで仰せ達された旨、月番飯田主米が諸士へ申し渡した。