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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之8 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之8 - ページ 52

ページ: 52

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【右丁】  《割書:妙澤(めうたく)和尚(おしやう)は嘉慶(かけい)の頃(ころ)の人にして足利(あしかゝ)三代 義満公(よしみつこう)の時世(しせい)に當(あた)れり大草紙(おほさうし)に|妙澤(めうたく)は夢窓(むさう)國師(こくし)の法嗣(ほふし)にして不動明王(ふとうみやうわう)の化身(けしん)なり児(ちこ)の時(とき)より好(この)みて不動(ふとう)》  《割書:尊(そん)の御影(みえい)を画(ゑか)き《割書:本朝画史云毎日一尊を画き敢て怠る事|なく終廿餘年に至る霊験甚多しと云々》奇特(きとく)をあらはせし事を挙(あけ)たり文明(ふんめい)|十八年 道興(たうこう)准后(しゆこう)東奥(とうおく)下向(けかう)の時(とき)其(その)門徒(もんと)なりし松井坊(まつゐはう)に宿(しゆく)し給ひこれを開眼(かいけん)ありし》  《割書:とて即(すなはち)紙中(しちやう)に花押(かきはん)をおされたり後(のち)石井氏(いわゐうち)の家(いへ)に傳(つた)へしを兼重(かねしけ)といへる人の時(とき)當寺(たうし)に|附与(ふよ)すと也》  岡本(をかもと)半助(はんすけ)裁許状(さいきよしやう)一通 武藏(むさし)七黨(しちとうの)系圖(けいつ) 古写本(こしやほん)なり 氷川(ひかは)明神(みやうしん)社 大蔵村(おほくらむら)にあり永安寺(えいあんし)別當(へつたう)奉祀(ほうし)せり祭神(まつるかみ)五座 大巳(おほな)  貴尊(むちのみこと)素盞嗚尊(すさのをのみこと)奇稲田姫(くしなたひめ)手摩乳(てないち)脚摩乳(あしなつち)等(とう)なり祭礼(さいれい)は毎年(まいねん)  九月廿一日なり相傳(あひつた)ふ暦仁(れきにん)元年《割書:九月九日 遷宮(せんくう)同廿一日|始祭(はしめさい)祀を行(おひな)ふといふ》當地(たうち)の主(しゆ)江戸氏(えとうち)  《割書:此(この)江戸氏(えとうち)は桓武(くわんむ)平氏(へいし)の裔(えい)良文(よしふみ)の流(りう)|畠山(はたけやま)の一族(いちそく)にして北見氏(きたみうち)の祖(そ)也》足立郡(あたちこほり)大宮(おほみや)の御神(おんかみ)を勧請(くわんしやう)すと云 旧(いにしへ)は  唯一(ゆゐいち)宗源(そうけん)の社(やしろ)なりしに其後(そのゝち)二百 有餘年(いうよねん)を経(へ)て天文(てんふん)年間(ねんかん)松井(まつゐ)  坊(はう)といへる山伏(やまふし)奉祀(ほうし)の宮(みや)となり両部(りやうふ)習合(しふかふ)とす《割書:此(この)松井坊(まつゐはう)は武州(ふしう)都筑郡(つゝきこほり)|大田(おほた)道真(たうしん)の臣(しん)》  《割書:なり依(よつ)て道真(たうしん)尊崇(そんそう)せし処(ところ)の十一面 観音(くわんおん)の像(さう)を傳来(てんらい)したりしかは當社(たうしや)の別當(へつたう)に|補(ほ)するの後(のち)氷川明神(ひかはみやうしん)の本地佛(ほんちふつ)となし奉(たてまつ)るといへり或(あるひは)云(いふ)永禄(えいろく)の頃迄(ころまて)は松井坊(まつゐはう)奉祀(ほうし)》  《割書:たりしに後(のち)田中(たなか)三河守(みかはのかみ)といへる人|神職(しんしよく)となり再(ふたゝひ)唯一(ゆいいち)とせしと云》當社(たうしや)は昔(むかし)は五所に並(なら)ひ建(たて)て宮居(みやゐ)巍(き)々(ゝ)たり  しにいつのに頃(ころ)より歟(か)荒亡(くわうはう)して唯(たゝ)此(この)一社(いつしや)のみ残(のこ)れりと云《割書:其(その)證(しやう)は|次(つき)の棟(むな)》 【左丁】  《割書:札(ふた)に載(のせ)て氷川明神(ひかはみやうしん)第(たい)四ノ|宮(みや)とあるにてしるへし》然(しかる)に明暦(めいれき)年間(ねんかん)永安寺(えいあんし)弟(たい)九世 辨栄(へんえい)法印(ほふいん)  別當(へつたう)に補(ほ)せられしより再(ふたゝひ)習合(しふかふ)の社(やしろ)となし神躰(しんたい)及(およ)ひ本地佛(ほんちふつ)  等(とう)を新(あらた)に安置(あんち)せられたりとなり昔(むかし)の神躰(しんたい)は江戸氏(えとうち)の兜(かふと)の立物(たてもの)  にして黄金(わうこん)の瓶子(へいし)に畠山(はたけやま)重忠(しけたゝ)と銘(めい)してありしとなりされとも  いつの頃(ころ)にか失(うしな)ひたりとて今(いま)はなしといふ  棟札(むなふた)一枚(いちまい) 《割書:當地(たうち)石井氏(いはゐうち)の家(いへ)に傳(つた)ふ按(あんする)に棟札(むなふた)は神主(かんぬし)田中(たなか)松井坊(まつゐはう)敬白(けいひやく)とあり|しからは田中(たなか)と松井坊(まつゐはう)別人(へつしん)にあらすして田中(たなか)は松井坊(まつゐはう)か俗姓(そくせい)にてありしか》  面    哀愍衆生者    永禄八年乙丑正月十九日  武藏國《割書:荏原村|石井土郷》大蔵村氷川大明神第四ノ宮    我等今敬禮    神主田中松井坊敬白云云  裏   再建副願主《割書:長島源太郎|《割書:清水源兵衛|石井玄蕃》》 《割書:伊丹孫次郎|河野大學》  《割書:大檀那|武運長久》石井内匠助平兼實敬白云云        庄屋