Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション2

BnF. Département des manuscrits. Japonais 654 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 654 - ページ 21

ページ: 21

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【右丁】 花山の花見に来しそ寺子らよ我をりにきと人にかたるな サノフノ  明義 松かさるみつのあした【注①】は家毎の門より千代の色そこもれる エ本    寉住 風の神天降るらし枝高きかたより花のちりそかゝれる 〃     一幸 倒さしと雨の恵みのひかへ綱まつはる藤の花の下いほ【庵】 鹿沼    稲丸 折せさる心にくさも数へらぬ花のなかめにけふはわすれつ サノ    糸屑 春雨にわか身もろともゆるむ日の草木も長くのひにける哉 〃     花休 うきしつみあるをさとすか世中を水にまかせてちるさくら花 引又    広毛 春雨のおやのふる里見ならひて雲とみせさる山さくら花 〃     友寉 いつしかと汀の氷うちとけて池の心もはるをしるらん 水子    友翠 たのしさは咲ん花待内にありとひち【肘】枕する春雨の宿 天トウ   ?し鷹 北山をふき来る風にわらはやみ【注②】やみてや枝のふるふ青柳 竹杜    津喜影 枝ことにおける白露青柳の糸もてむすふ玉かとそみる 宮サキ   近信 すみれ草けふ花さかんわか艸の藤よけにみえて春雨の降 三条タ【メヵ】   真波 世をわひんいほりさすなら梅のもと歌よみ鳥のとふらひやこん 上ノ山   真薫 【左丁】    十九 くれてゆく春のなこりをいかにせんかたみとなりぬ花もなけれは 〃     真影 待うちは花のつほみにこもりゐて人の心もひらかさりけり シン庄   島音 花七日過るははつかさかぬ間を待は千とせのおもひなりけり 〃     之頼 もろこしへ聞えわたらんかたてめ【かくそめヵ】のふしは硯のうみよりも出つ 最手    真留 一重咲花をも八重に立かくす霞や風をよそになすらん 大道     夢盛 めてゝよる我袪【たもと】には入たらて野路にあふるゝ風の梅かゝ【梅が香】 白川    綾寉 引そむる霞にしるき梓弓おして春たつ矢野の神山 丹生    一親  むつましくしめをもはるの二見潟ともに霞の袖のひきあふ 松戸    阿字丸 春はけふかきりとあれは山さくら風をもまたす花のちるらん セト    繁樹 三笠山光は花にゆつりつゝおほろにみゆる春の夜の月 ノ田    高?【持ヵ】 梅かゝは袖にすがりて中々にこゝは杉田【注③】のすきうかり【注④】けり 山田    真波 かくさんとかさす桜もみなちりて老をみせけり春の行日は 羽生    御年 誰か夢に入し名残そ春霞はるゝかたよりみゆか【注⑤】ふしのね 江戸    槙の屋 十二 玉としも人あさむけとしら露をおのれ糸にもぬかぬ蓮葉       琇唫社 【注① 三つの朝=年、月、日の三つの朝にあたるところから元日の朝のこと。元旦。】 【注② 童病み=間欠熱の一種。悪寒、発熱が隔日または毎日時を定めておこる病気。】 【注③ 杉田=横浜市磯子区杉田には、江戸時代は梅の名所として知られた梅林があった。】 【注④ 過ぎ憂し=立ち去りにくい。】 【注⑤ 見ゆが=見えるのが。助詞「が」の主格用法か。】