Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション2

BnF. Département des manuscrits. Japonais 654 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 654 - ページ 25

ページ: 25

翻刻

【右丁】 花見つゝさくらかもとにこほしたる酒や木末のいろに出けむ       漫唫社  みちのくのしのふ摺よりあはれ也みたるゝ袖とみゆる尾花は       ■【渮ヵ】雅 山川の下ゆく水にかけみえてちらぬもみちそ根に帰りぬる       古路 秋しらぬわきへ【我家】の松に山風のよその紅葉をかすかあはれさ       嶋成 ものいはぬ女郎花にもうき時はをしかや妻のありかとふらん       有年 咲はとくしほむ朝かほうき秋をまはらにみせてまとめぬそよき       仝 霧こめてまたやみなから明ぬとは告るからすの声にしる哉       近国 最中なるあきの今宵に玉くしけ二夜ともなき月をみる哉 京     住雄 秋霧のまかきもいまたまはらにて夏をへたてぬ暑さなるらん サカヒ   速樹 妻とへる鹿にこたまのもらひ鳴岩木なからもあはれをやしる 準     五十瀬屋 根なし雲吹よる風のうらうへに池の面おほふ月の水草       仝 はえなくもかしらおもけ【重げ】のみたれ咲十日の菊と二日酔なる 〃     津婆女 なれか背の星毛も落て恋瘦し鹿の思ひや石となるらん 松坂    歌良丸 軒よりも高くつもりて中々に雪に日影のうもる三越路 クハナ   益枝 【左丁】    二十三 鳴あかす鹿の音わひしぬる間のみせめて涙のひまとおもふを ナコヤ   竜の屋 うつくしとちらても見んを白露の玉もいたらて萩の花つま 見ツケ   草の舎 うつ蝉の世にもあるかな秋といへは夏をよぬけて涼しかりける 三小川   斐竹 七日ともこれはかきらて花よりもあかぬ匂ひや桜もみち葉 越中ト山  菊好 こよろきの【注】いそきて染しもみち葉をありめにこそはさゝまほしけれ 善光寺   童司 夏やせはしらぬなからも物おもふ秋にたくすや肉の落鮎 サノ    糸屑 しら玉をたかくたきしと思ふまて千くさの露に影わくる月 エ本    隺住 朝かほはさかり久しなあた毎にあする色なく咲かはりつゝ 古ノ山   畔草 日にほしてつや出さんともみち葉をいろよく染て雨は晴けん 成田    秀明 もみち葉はさなから花にまかふとも春に似けなき秋の夕暮       文彦 きりきりすもろこし舟に入てうるをのこも髭の長くやあるらん       仝 折とりし月のかつらの心ちせり草葉の露にわけし光は ノタ    香居 夕くれの秋のならひを朝かほはしらぬにつけて哀なりけり 二本マツ  光樹 かけめてゝなけきにしつむ人の世をあはれと月や山にいるらん       仝 【注 枕詞「こゆるぎの」の母音交替形。いそ(磯)、「いそぎ」にかかる。】 文雅