← 前のページ
ページ 60 / 171
次のページ →
翻刻
【右頁上段】
美味(びみ)腹(はら)にあり
○鱗(うろこ)は魚龍(ぎよりやう)のうろこ
なり鱗(うろこ)あるもの龍(りやう)
これが長(ちやう)なり鯉(こい)は大小
ともにせなかに鱗(うろこ)の数(かず)
三十六/鱗(りん)あり
○鰓(さい)は魚(うを)の頬(ほう)の中(なか)の
骨(ほね)なり俗(ぞく)にこれをえ
らといふ又おさとも云
○鰾(へう)は魚(うを)の腹中(ふくちう)に有
ふえといふ魚脬(ぎよはう)なり
膠(にかは)につくりてにべと云
【右頁下段 挿絵】
鰭(き)《割書:はた》
《割書:ひれ》
鱗(りん)《割書:うろ| くず》
《割書:うろこ》
鰓(さい)
《割書: えら| おさ》
鰾(へう)
《割書: ふえ| にべ》
【左頁】
頭書(かしらがき)増補(ぞうほ)訓蒙(きんもう)図彙(づゐ)巻之十五
蟲介(ちうかい)《割書:此/部(ぶ)には野草(やさう)にすむもろ〳〵の蟲(むし)|川谷(せんこく)にすむ甲(かう)介ある虫(むし)の類(るい)をしるす》
【左頁上段】
○亀(かめ)は四/肢(し)ひき
つりなへたるにゝて
くらふ瀉血(しやけつ)血痢(けつり)
をとめ三十/年来(ねんらい)
の寒嗽(かんさう)を治(ぢ)す
○鼈(どうがめ)は瘀血(をけつ)を下し
陰(いん)を補(おぎな)ひ婦人(ふじん)の
難産(なんざん)腰痛(こしいたむ)を治(ぢ)ス
○鱟(かぶとかに)は痔瘻(ぢろ)を治(ぢ)ス
虫(むし)をころす多(おゝ)く食(くら)
【左頁下段 挿絵】
龜(き)《割書: |かめ》
鼈(べつ)《割書: すつ| ほん| |どうがめ》
現代語訳
【右頁上段】
美味は腹にある。
○鱗(うろこ)は魚や龍のうろこである。鱗があるものは龍がその長である。鯉は大小ともに背中に鱗の数が三十六枚ある。
○鰓(えら)は魚の頬の中の骨である。俗にこれをえらといい、またおさとも言う。
○鰾(うきぶくろ)は魚の腹中にあるもので、ふえという。魚脬のことである。膠(にかわ)に作ってにべと言う。
【右頁下段 挿絵】
鰭[はた/ひれ]
鱗[うろくず/うろこ]
鰓[えら/おさ]
鰾[ふえ/にべ]
【左頁】
頭書 増補訓蒙図彙 巻之十五
蟲介(この部には野草に住むもろもろの虫、川谷に住む甲介ある虫の類を記す)
【左頁上段】
○亀は四肢を引きつらせたような状態にして食べる。瀉血・血痢を止め、三十年来の寒咳を治す。
○鼈(スッポン)は瘀血を下し、陰を補い、婦人の難産・腰痛を治す。
○鱟(カブトガニ)は痔瘻を治す。虫を殺す。多く食べ[続く]
【左頁下段 挿絵】
龜[かめ]
鼈[すっぽん/どうがめ]