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【右頁上段】
○鴉瓜(からすうり)は火(ひ)をくだし咳(せき)を治(ぢ)し
痰(たん)をそゝぎのどを利(り)す
土瓜(とくは)赤雹子(せきはくし)同
○燕覆(あけひ)は膀胱(ばうくはう)を治(ぢ)し癰(よう)を
消(せう)し腫(はれ)をさんじ能(よく)乳汁(にうじう)を通(つう)ス
○甜瓜(からうり)は熱(ねつ)をのぞき小/便(べん)
を利(り)し煩渇(はんかつ)をとむ暑(しよ)
月(げつ)にくらへば暑(しよ)にあてられず
○苦瓜(つるれいし)は邪熱(じやねつ)をのぞき労(らう)
乏(ぼく?)をおぎなひ心(しん)をきよく
し目(め)をあきらかにす
錦茘枝(きんれいし) 癩葡萄(らいぶだう)
○烏柿(うし)はあまほしなり
火柿(くはし)同 醂柿(りんし)はさはしがき
烘柿(こうし)つゝみがき白柿(はくし)はつり
がきなり
【右頁下段 挿絵】
胡椒(こせう)《割書:まるはじ| かみ》
《割書:一名|木奴(もくぬ)》
龍(りう)
眼(がん)
《割書:円眼(えんがん)|茘奴(れいぬ)同》
鴉瓜(あくわ)《割書:から| す|う| り》
甘蔗(かんしや)《割書:さたう| だけ》
燕(ゑん)
覆(ふく)
《割書:一名|桴棪| 子| あけび》
【左頁上段】
○蔕(てい)は瓜(うり)の蔕(ほそ)柿(かき)の蔕(へた)
なり又/蒂(てい)につくる㚄(てい)同
柿(かき)茄(なすび)などのへたなり
○莍(きう)は櫧(かし)櫟(いちゐ)などの実(み)を
もる房(はう)なり俗(ぞく)にかさと云
○仁(にん)はくだものゝ核(さね)のうち
にあるものなり
梅仁(ばいにん) 桃仁(とうにん) 杏仁(きやうにん)なり
薬(くすり)にもちゆ
○核(かく)は梅(むめ)桃(もゝ)《割書:補》その外すべて
くだもの又は瓜(うり)茄(なすび)のさね也
核(さね)の中(うち)薬(くすり)にもちゆるもの
あまたあるなり
○紫糖(くろざたう)はおほく食(くら)へば心(しん)
痛(つう)し長虫(ちやうちう)を生(しやう)す
【左頁下段 挿絵】
《割書:まくは| うり》
甜(てん)
瓜(くは)
《割書:から| うり》
《割書:にがうり》
苦(く)
瓜(くは)
《割書:つる| れい| し》
白(はく)
柿(し)
《割書:つ| り|がき》
烏柿(うし)
《割書:あま| ぼ| し》
蔕(てい)
《割書: ほそ| へた》
現代語訳
【右頁上段】
○烏瓜(カラスウリ)は火を下し、咳を治し、痰を濯ぎ、喉を利する。
土瓜、赤雹子と同じ。
○木通(アケビ)は膀胱を治し、癰を消し、腫れを散じ、よく乳汁を通す。
○甜瓜(マクワウリ)は熱を除き、小便を利し、煩渇を止む。暑月に食べれば暑気にあたらない。
○苦瓜(ツルレイシ)は邪熱を除き、労乏を補い、心を清くし、目を明らかにする。
錦茘枝、癩葡萄とも呼ぶ。
○烏柿(ウシ)は干し柿である。
火柿と同じ。醂柿は渋柿、烘柿は包み柿、白柿は釣り柿である。
【右頁下段 挿絵】
胡椒《丸はじかみ、一名木奴》
龍眼《円眼・茘奴と同じ》
烏瓜《カラスウリ》
甘蔗《砂糖竹》
燕覆《一名桴棪子・アケビ》
【左頁上段】
○蔕は瓜の蔕、柿の蔕である。また蒂に作る。蒂と同じく、柿、茄子などのヘタである。
○莍は樫、櫟などの実を盛る房である。俗に「かさ」という。
○仁は果物の核の中にあるものである。
梅仁、桃仁、杏仁があり、薬に用いる。
○核は梅、桃、その他すべての果物、また瓜、茄子の種である。
核の中で薬に用いるものが数多くある。
○黒砂糖は多く食べれば心痛し、寄生虫を生ずる。
【左頁下段 挿絵】
甜瓜《マクワウリ・カラウリ》
苦瓜《ニガウリ・ツルレイシ》
白柿《ツリガキ》
烏柿《アマボシ》
蔕《ホソ・ヘタ》