翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

化物尽 4巻 - 翻刻

化物尽 4巻 - ページ 17

ページ: 17

翻刻

【右頁上段】     みこしにう     どうもたい      へいらく     はいつて     みたがどう     でも一とふり    ではいけぬと   おもいいばらき  どうじがわた  なべのおばとばけて  つなをだまして  うでをとりかへし  たることを  おもいだし さらばきん  ひらが   おばと   いつわり ろくろくびをとり  かへさんとながい  くびをふたつに   まげてめんを    かぶり人げんの     かたちにこし       らへける 【右頁中段】 そのまげた  くひはふと   ころへいれるか   ふん    どしへでも     はさんで      おくが       いゝよ 【右頁下段】 何  でも  こじ  つけ  てみ  せま   せう 【左頁上段】 それより みこしにう どうはばゝの めんをかぶりて づきんにて あたまをつゝみ さかたの きんひら がやしきへ たつねき たり何 とぞろく ろくびと いふもの 見たき よしを いゝ入ける 〽きんひらは わたなべと ちがつて おばをもつた おぼへなければ ふしぎに おもいな がらわざと よびいれて もてなしける     なもの也 こんなことで    せうじき こじつけよふ   あどけなく とはばけものは にんげんより 【左頁中段】 〽わたくしはこの   あたりのしら     びやうしの    ばゝになつたので     ごさるわいの 〽かぼちやの  つるでも  おどるなら  だんなへ  申上ヶて   やるべい 【左頁下段】 きん  ひらさ  んの  おたし  きは   もふ  こゝかへ  わしや  はずか   しい  ホウ   ヤレ    ホウ  

現代語訳

【右頁上段】 三つ目入道も大変楽観的になってみたが、どうしても一振りではいけないと思い、茨木童子が渡辺(の綱)の叔母と化けて、綱を騙して腕を取り返したことを思い出し、「それなら金平を叔母と偽って、ろくろ首を取り返そう」と、長い首を二つに曲げて面を被り、人間の姿に変装したのであった。 【右頁中段】 その曲げた首は太い所へ入れるか、褌にでも挟んでおくのが良いよ。 【右頁下段】 何でもこじつけて見せましょう。 【左頁上段】 それより三つ目入道は婆の面を被り、頭巾で頭を包んで、坂田の金平の屋敷へやって来た。何とかしてろくろ首という者を見たいという旨を言い入れた。♪金平は渡辺(の綱)と違って叔母を持った覚えがないので、不思議に思いながらもわざと呼び入れてもてなしたのであった。 こんなことでこじつけようとは、化け物は人間より正直で素直なものである。 【左頁中段】 ♪「私はこの辺りの白拍子の婆になったのでございますよ」 ♪「かぼちゃの蔓でも踊るなら、旦那へ申し上げてやりましょう」 【左頁下段】 「金平さんのお優しさは、もうここまで来ると、私は恥ずかしい。ホウ、ヤレホウ」

英語訳

【Right page, upper section】 The three-eyed nyudo had become quite optimistic, but thinking that a single blow wouldn't suffice, he remembered how the Ibaraki-doji had disguised himself as Watanabe (no Tsuna)'s aunt to deceive Tsuna and retrieve his severed arm. "Then I shall deceive Kinpira by pretending to be his aunt and get the rokurokubi back," he said, bending his long neck in two, putting on a mask, and disguising himself in human form. 【Right page, middle section】 That bent neck should be tucked into a thick part or tucked into a loincloth—that would be best. 【Right page, lower section】 I'll manage to make this work somehow. 【Left page, upper section】 The three-eyed nyudo then put on an old woman's mask, wrapped his head in a hood, and came to Sakata no Kinpira's mansion. He expressed his desire to somehow see the creature called rokurokubi. ♪Unlike Watanabe (no Tsuna), Kinpira had no memory of having an aunt, so while finding this strange, he deliberately invited her in and treated her hospitably. To try such a scheme shows that monsters are more honest and naive than humans. 【Left page, middle section】 ♪"I have become an old shirabyoshi dancer from this neighborhood." ♪"Even if pumpkin vines could dance, I would report it to the master." 【Left page, lower section】 "Kinpira-san's kindness has reached such a point that I am embarrassed. Ho, yare ho!"