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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 7 増補頭書訓蒙図彙大成

増補頭書訓蒙図彙大成 10巻 2:巻之1-3 - 翻刻

増補頭書訓蒙図彙大成 10巻 2:巻之1-3 - ページ 17

ページ: 17

翻刻

【右丁上段】 柳堤(りうでい)は補【▢囲み】堤(つゝみ)に柳(やなぎ)を植(うへ)たるを云 ○閘(かう)は水門(すいもん)なり俗(ぞく)にこれを 樋(ひ)の口(くち)といふ田(た)に水(みず)を入るとき は引(ひき)あげ入ざるときはおろす ○堰(いせき)は蛇篭(じやかご)に石(いし)をいれて水(みづ)を ふさくものなり又 埭(たい)とも書也 水辺(すいへん)に田地(でんち)又は屋敷(やしき)あれば堰(いせき) をするなり補【▢囲み】俵(たわら)に土砂(どしや)を入て水(みつ) ふせぎともするなり ○水柵(すいさく)は竹木(ちくほく)をあんでこれをつ くる水よけなりうたにも 山川に風のかけたるしがらみは なかれもあへぬもみち成けり とよめるなりしからみといふは 水柵(すいさく)なり ○関(せき)はゆきゝのうたかわし き人をとゞめたゞす所(ところ)なり 【左丁上段】 風破(ふは)の関(せき)鈴鹿関(すゞかのせき)逢坂関(あふさかのせき) これを天下(てんか)の三 関(せき)といふ今は たへてなし箱根(はこね)の関(せき)といふ あり其外(そのほか)関所(せきしよ)あり 補【▢囲み】峠(とうげ)は山坂(やまさか)をのぼりおはりて いたゞきの所をいふあるひは山中(やまなか) の峠(とうげ)鈴鹿(すゞか)の峠(とうけ)なといふ山道(やまみち)の 往来(わうらい)には峠(とうげ)をいくつもこゆる事 なり 補【▢囲み】森(もり)は木(き)の多(おほ)く生(はへ)しげりた る所をいふ狐(きつね)の森(もり)蛍(ほたる)のもり 又 鷺(さぎ)の森(もり)などいふ所あり ○牧(まき)は六 畜(ちく)をやしなふ所を いふ又《振り仮名:郊外|□□ぐはい》を牧といふ言(いふこゝろ)は六 畜(ちく)をはなち牧(まき)すべき所なり 国(くに)の守護(しゆご)を牧(ぼく)といふも民(たみ) をやしなふの義(き)にとる 【□□は「かう」。別本参照】 【右丁下段挿絵】          水柵(すいさく)           《割書:しがら|   み》     閘(かう)     《割書:ひのく|  ち》  堤(てい)  《割書:つゝ|  み》     椻(ゑん)【堰】          《割書:ゐせき|》 【左丁下段挿絵】    《割書:補》     森(しん)     《割書:もり|》    関(くはん)    《割書:せき|》  《割書:補》   峠   《割書:とう| げ》

現代語訳

【右丁上段】 柳堤(りゅうてい)は【補】堤に柳を植えたものをいう。 ○閘(こう)は水門である。俗にこれを樋の口という。田に水を入れるときは引き上げ、入れないときは下ろす。 ○堰(いせき)は蛇籠に石を入れて水を塞ぐものである。また埭(たい)とも書く。水辺に田地または屋敷があれば堰をするのである。【補】俵に土砂を入れて水防ぎとすることもある。 ○水柵(すいさく)は竹木を編んでこれを作る水よけである。歌にも「山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり」と詠まれている。しがらみというのは水柵のことである。 ○関(せき)は往来の怪しい人を留めて調べる所である。 【左丁上段】 不破の関、鈴鹿関、逢坂関、これを天下の三関という。今は全くなくなった。箱根の関というのがある。その外に関所がある。 【補】峠(とうげ)は山坂を登り終わって頂上の所をいう。あるいは山中の峠、鈴鹿の峠などという。山道の往来には峠をいくつも越えることになる。 【補】森(もり)は木が多く生い茂った所をいう。狐の森、蛍の森、また鷺の森などという所がある。 ○牧(まき)は六畜を養う所をいう。また郊外を牧という。言う心は六畜を放し飼いすべき所である。国の守護を牧(ぼく)というのも民を養うの義によるものである。 【挿絵部分】 水柵(すいさく)・しがらみ、閘(こう)・ひのくち、堤(てい)・つつみ、堰(えん)・いせき 森(しん)・もり、関(かん)・せき、峠・とうげ