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コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 7 増補頭書訓蒙図彙大成

増補頭書訓蒙図彙大成 10巻 2:巻之1-3 - 翻刻

増補頭書訓蒙図彙大成 10巻 2:巻之1-3 - ページ 9

ページ: 9

翻刻

【右丁上段】 ○虹(にじ)は日(ひ)雨(あめ)と交(まじはり)て質(かたち)をなす也 日のひかり雨にうつるによつて虹(にじ) あらはる朝(あした)には西(にし)にあり暮(くれ)には 東(ひがし)にあり色(いろ)鮮(あさやか)なるを雄(おにじ)とし 闇(くらき)を雌(めにじ)とす俗(ぞく)に蛇(じや)のいきといふ 螮蝀(ていとう)霓(けい)同ともににじなり ○雹(あられ)は雪(ゆき)こほりて円(まとか)なるを 雹(あられ)といふ寒気(かんき)つよきときは雪(ゆき)と なりて軽(かろ)し寒気(かんき)うすきときは 雪(ゆき)おもくしてとけやすし又 雹(あられ)となる 瑗瑶(ゑんよう)玉粒(ぎよくりう)砕玉(さいぎよく)銀米(ぎんべい)明珠(めいしゆ) 同し雪(ゆき)雨(あめ)にまじはりふるを霰(みぞれ) といふ ○雪(ゆき)水(みつ)寒(かん)にむすぼふれて軒(のき) のしたゞりこほりて氷柱(つらゝ)となる 氷筋(へうきん)氷条(へうでう)とも書(かく)べし又 氷笋(へうじゆん) ともいふなり 【右丁下段挿絵】  虹(かう)【こうヵ】   《割書:にし|》     雹(はく)《割書:あられ|》              氷柱(へうちう)               《割書:つらゝ|》 【左丁】 《題:頭書増補訓蒙図彙(かしらがきぞうほきんもうづゐ)巻之(くはんの)二》       地理(ちり)《割書:此部(このぶ)には山川(さんせん)田園(でんゑん)林丘(りんきう)村市(そんし)のたぐひあり|地(ち)の条理(でうり)なり易(ゑきに)云(いはく)俯(ふして)察(さつす)_二於 地理(ちりを)_一》 【左丁上段】 ○山(やま)は高大(かうたい)にして石(いし)あるを いふ広雅(くはうかに)云(いはく)山(さん)は産(さん)なりよく 万物(ばんぶつ)を産(さん)するなり説文(せつもん)に山(せん) は宣(せん)なり ○峯(みね)は山の端(はし)なり山大にし て高(たかき)を峯(はう)といふ山小にして たかきを岑(しん)といふともにみね なり唐(もろこし)にては香爐峯(かうろはう)日(に) 本(ほん)にては冨士峰(ふじはう)なと也 嶺(みね)同 ○巓(いたゞき)は高山(かうざん)のいたゝきなり絶(ぜつ) 頂(てう)なり詩経(しきやう)に采(とり)_レ苓(れいを)采(とる)_レ苓(れいを) 首陽(しゆやう)之(の)巓(いたゞき)といへり山巓(さんてん)とも又 【左丁下段挿絵】 山(さん)  《割書:やま|》        坂(はん)《割書:さか|》 巓(てん)  《割書:いたゞ|   き》 峯(ほう)  《割書:みね|》

現代語訳

【右丁上段】 ○虹は太陽と雨が交わって形を作るものである。太陽の光が雨に映ることによって虹が現れる。朝には西にあり、夕方には東にある。色が鮮やかなものを雄虹とし、暗いものを雌虹とする。俗に「蛇の息」と言う。螮蝀、霓も同じく虹のことである。 ○雹は雪が凍って丸くなったものを雹と言う。寒気が強いときは雪となって軽い。寒気が薄いときは雪が重くなって溶けやすい。また雹となる。瑗瑶、玉粒、砕玉、銀米、明珠も同じ意味である。雪と雨が混じって降るものを霰(みぞれ)と言う。 ○雪解け水が寒さで結ばれて、軒下のしずくが凍って氷柱となる。氷筋、氷条とも書くべきである。また氷笋とも言う。 【左丁】 《巻之二 地理の部》 地理部には山川、田園、林丘、村市の類がある。これは地の条理である。『易経』に「俯して地理を察す」とある。 【左丁上段】 ○山は高大で石があるものを言う。『広雅』に「山は産なり、よく万物を産するなり」とあり、『説文』に「山は宣なり」とある。 ○峰は山の端である。山が大きくて高いものを峯と言い、山が小さくて高いものを岑と言う。共に「みね」である。中国では香炉峰、日本では富士峰などがある。嶺も同じ意味である。 ○巓は高山の頂上である。絶頂のことである。『詩経』に「苓を采り、苓を采る、首陽の巓」とある。山巓とも言う。

英語訳

【Right page, upper section】 ○A rainbow forms when the sun and rain interact to create shape. Rainbows appear when sunlight reflects in rain. In the morning they appear in the west, in the evening in the east. Bright-colored ones are called male rainbows, dark ones are called female rainbows. Commonly called "snake's breath." Teitō and kei are also words for rainbow. ○Hail is snow that freezes into round shapes. When cold air is strong, it becomes light snow. When cold air is weak, snow becomes heavy and melts easily, or becomes hail. En'yō, gyokuryū, saigyoku, ginbei, and meishu have the same meaning. Snow mixed with rain falling is called sleet (mizore). ○Snowmelt water freezes in the cold, and dripping water under eaves freezes to become icicles. It can also be written as hyōkin or hyōjō. It is also called hyōjun. 【Left page】 《Volume 2: Geography》 The geography section includes mountains and rivers, fields and gardens, forests and hills, villages and markets. This is the natural order of the land. The Book of Changes says "looking down to observe geography." 【Left page, upper section】 ○Mountains are high and large formations with stones. The Guangya states "mountains are 'san' (production), they can produce all things." The Shuowen states "mountains are 'sen' (proclamation)." ○Peaks are the edges of mountains. Large, high mountains are called hō, small high mountains are called shin. Both are "mine" (peaks). In China there is Kōrohō (Incense Burner Peak), in Japan there is Fujihō (Mount Fuji Peak), etc. Rei (ridge) has the same meaning. ○Summit refers to the top of high mountains. It is the absolute peak. The Book of Songs states "gathering ling, gathering ling, at the summit of Shuyō." It is also called sanren.