翻刻
敵六右衛門を始め作右衛門九左衛門を討取下さら
は草葉のかげからつれあひがさぞ悦ぶで
こざんしよと又さめ〳〵と歎きける禁長
是を聞て仰天し扨〳〵驚き入たる
鹿子か最早我鹿子の助けにあらず
んば何ぞ命をまつとふせんや我為の命
の親也かならす気遣ひし給ふな追付
六右衛門作右衛門 等(ら)を打取夫の亡執(もふしう)晴さ
せ申さんと夫より小鹿子を諸将に引合
せける時に田の浦太左衛門は手下引具し
入来り禁長に対面し津田表の一件
を承り驚き入候然るに明朝出 陣(じん)
これあり勝負の一戦とけらるゝよし
承り加勢の為来りしなりと申ければ
禁長大ひに悦ひ君某が後 詰(つめ)を致し
下さらば我又何もうれひかあらんと夫
より首途(かとでの)の盃をなしそ其夜の七ツ過(すぎ)に
日開野村を打立其夜小松島まで