徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 53

ページ: 53

翻刻

来り勢揃へをなし其備へをいたし けるまづ先 陣(じん)は藤樹寺(ふしのきじ)小鷹熊鷹 二陣は高須院元松の木のおやま三陣は 大将禁長左右よりは火の玉金の鶏也 後陣は地獄橋衛門三郎田の浦太左 衛門也都合其勢三百六十疋也 斯(かく)て 禁長は千代ヶ丸にて兵糧を遣ひ 密(ひそか)に敵のよふすを伺ひける扨又津田 方には禁長よりの一書を得てより 定めて早速押寄来るべしと昼夜 寐る事もあたわず守りけれども何 の音もなし六右衛門は手下を集評義 しけるは禁長我に戦書を送り越し 其夜にも押寄来るべしと思ひの外 今日まで何の音もなきは定(さだ)めて叶わ ぬと知つて臆(おく)せしならん此上は何ぞ 守るに及ばんや早〳〵打くつろぎ体【休ヵ】 息すべしと申ければ作右衛門のいわく