翻刻
御味方し二ツとなきいの命を全ふすべ
しさなくば忽(たちまち)ち喰殺すへしと言ひ
衛門三郎大ひに怒り其義ならば
目にもの見せんと彼(かの)石投(いしなけ)の達人 水越(みすごし)
の小鴨芝生の高橋根井のおたま等 皆(みな)
石打の名人なれば是に命して大石
小石をとなく投かけさすにあたかも隆(りう)
星(せい)の如くなれば津田方は天窓(あたま)をくだか
れ後足(うしろあし)にあたりちんばとなり右往(うわう)
左往(さわう)に敗走(はいそう)す爰に津田方 千切(ちきれ)山の
高坊主はたちまち身(み)を変じ一丈余の
入道となり群(むら)がる中へ飛込で当(あたる)るを幸(さいわい)
はひ投倒す是によつて日開野方は
足(あし)元四度路になりしかば衛門三郎 大(おゝ)
ひに怒(いか)り自身馳廻りて下知しける
は彼高坊主に向ひなば必〳〵上へ見(み)あ
げる事なかれ只目の下に見下し
討取■■さすが年経(としへ)し者程(ものほど)あ