徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 62

ページ: 62

翻刻

つて其術に達したり松の木お山 は美(うつく)しき女となりて高坊主にかけ 迎ひ衛門三郎が教への通り少しも 上を見ず下(した)へ見下しければふしぎや 今迄一丈余りありし入 道(どう)忽(たち)まち 弐三尺の小坊主となりけりお山は大ひに 悦び飛かゝりて肩口へしたゝか喰付 たり高坊主は其術をくぢかれ無念 〳〵とあがけども最初(さいしよ)疼手(いたで)に眼(まなこ)くら み其侭そこに倒(たを)るゝをお山すかさず咽 笛(ふへ)へかみつきなんなく止(とゝ)めをさしたり ける是に気を得て日開野勢進め〳〵 と戦ふたり津田方の後陣(ごじん)に控へし 讃州役右衛門は先手の九左衛門 敗(はい)軍 するを見て手勢を繰(くり)廻し日開 日開野 方(かた)の後を断(たゝ)んとす是を見(み) て日開野方の後備(うしろそな)へ高 須(す)の院(いん) 元(げん)駆(かけ)合せ大石大木を投かけ〳〵