徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 64

ページ: 64

翻刻

大石を以て敵中へ投かけしかば此 石(いし) に当(あた)る者悉く命を落しける其 勇猛(ゆうもう)に恐れをなし敢(あへ)て近付者 なきゆへ其隙に役右衛門は味方を救(すく)ひ やう〳〵九左衛門が勢と一所になり役右衛門は 九左衛門にむかひ味方大勢也といへども 数■の戦ひに労れたり此勢を以て 戦わん事然るへからず早〳〵本 陣(じん)へ 軍使を遣(つか)わし加勢を乞(こい)給へて 荒手来りなば我〳〵も少し休息し 敵(かた)方は替(かわ)る勢なきゆへ猶〳〵我〳〵 其 後(うしろ)を断(たち)切南 方(ほう)より打立なば必 勝利ならんと申ければ九左衛門是を聞 て誠に貴殿の妙計驚入たり然らば 速■■【かにヵ】本陣へ加勢を乞べしと夫より 使番か小狸を呼出(よひだ)し汝本陣へ至り かやう〳〵に申べしと口上を教へければ 使者は承知しいつさんに津田山か麓(ふもと)