徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 65

ページ: 65

翻刻

六右衛門が本 陣(じん)へ至りける扨も六右衛門は 本陣にあつて浜手の合戦 如何(いかゞ)あらんと 案じ居る所へ注進 狢(むじな)三郎 息(いき)を 切て馳来り扨も浜手の合戦に双 方 劣(おと)らぬ古同士(ふるどうし)暫(しはら)く戦ひ候所敵 より打かけ大石に味方は多く投(なげ)立ら れ危ふく見へし其時千切山の高 坊が方便を以て危ふき味方を守り返 し十分勝利と見へし所敵将衛門 三郎大ひに怒り高坊主が術をく ぢき松の木お山が勇力に向ひむざん や坊主はああへなき最期其外役右衛門 が勢は院元の謀事に落入 浜手(はまて)の 合戦惣敗軍に候早〳〵御加勢是 なく候ては両狸(りようしやう)の命 危(あや)きと息継(いきをつぎ) あへず注進しけ【候?】者(バ)六右衛門を始め皆(みな) 〳〵大ひにあきれはていかゝ有せんと 評義しける時に讃州八兵衛 進(すゝ)み