徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 66

ページ: 66

翻刻

出て曰く願わくば某百五十の勢を 引て加勢し労れはてたる日開野勢 を一戦に追立(おつたつ)べし必ず気を労(ろ)し 給ふなと申ければ大将六右衛門大ひに 悦び足下加勢致しくれなば我又何 のうれへかあらん早〳〵出陣あるべしと 百五十疋の狸を添へて八兵衛に後詰(ごつめ) させけり八兵衛は即時に手勢を率し 浜手をさして急(いそ)ぎ行けり爰に 又禁長は今朝より津田山にのぼり浜 手の様子を伺ひしに味方十分 勝(しやう) 利(り)を得て敵方より六右衛門へ加勢を乞 八兵衛に百五十を添て遣はし今は本 陣もわづか三百あまりにて守り居け るゆへ時分はよしと下知するにぞ速(はや)り 切たる味方の狸我一に山を下(さが)り敵陣へ 小石大木を投かけ〳〵真先には小鷹同 熊鷹火玉金の鶏(にわとり)中陣には禁長