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爰の所を聞分て早〳〵山の上へ登(のほ)り
味方の勝 敗(はい)を見物有べしと事
をわけて言ければ小鷹は大ひに驚き
泪(なみだ)を流しこは思ひよらぬ事を承(うけたま)り
はるものかな日開野を打出しより
死生存亡を君と供にすべしと
思ひしに君の討死を余処(よそ)に見
て我のみ命全ふせよとは御 情(なさけ)なし
此儀は外人へ命(め)じ下(くだ)さるべしと
中〳〵承知せされば禁長のいわく
足下の言ふ所一利ありといへども悉(ことごとく)
道に違へり其故は我打死して
其跡を継(つぐ)者なき時は是一ツの恥(ちしよく)
なりまして大恩請し大和様へ
御恩も送らず相 果(はて)なば禁長こそ
誠らしく言ひしが皆偽なりと
死後の恥辱を残すべし爰の
所を聞分て早くも峠に登り