徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

近頃古狸珍説 礼義智信 - 翻刻

近頃古狸珍説 礼義智信 - ページ 84

ページ: 84

翻刻

味方を見れば今朝よりの戦ひに あるいは討れ又は喰合て討死(うちしに)せし もの百二十疋に余(あま)り今は漸(よう)〳〵二三十 疋羽計り残りける衛門三郎は味方に向(むか)ひ 最早敵味方とも討死し双(そう)方無勢 也よつて我は是より九左衛門と心安く 一 騎(き)打の勝負を決(けつ)せん汝(なんじら)我と供(とも)に 討死せんと思はゞ必死(ひし)と成て敵(てき)を 破(やぶ)るべし又命 惜(をし)き者どもは今ゟ 暇(いとま)を遣(つか)わ す(す)る心任に落行べしと 申聞せければ属族等あるいは討死 せんと言ふもあり又落行もあり 思ひ〳〵に成て都合二十五六疋 止(とゞ)ま り是等は皆討死せんと義を守(まも)り 我一に敵方(てきがた)へ喰入たり爰に川島 九左衛門は第一と頼(たのむ)む役左衛門八兵衛 高坊主等皆敵に喰れ今は壱人と なり大ひに驚き味方見れば