翻刻
勢に依而敵を亡(ほろ)ぼし候所其時
受(うけ)し疵口より風を引最早
今日は相果申也さすれば此太刀
は貴公へ指上申間何卒小鷹がこ
とを宜敷頼而 彼(か)れ元来義に堅(かた)き
者ゆへ後〳〵我名を譲(ゆず)り二代の禁
長となし給へと呉〳〵頼置夫
より小鷹を呼で汝今より太左衛門
殿を我と思ひ仕へて能 学問(がくもん)を励(はげみ)
よき官を致し二代の禁長と也
大和の御家を守るべし返す〳〵
も大和様へ宜敷伝へ 呉(くれ)られよと
涙を流し教訓しまた小鹿子
を呼其方は是より津田山へ帰り諸人を
なやます事 慎(つゝし)み能仁義を守り
鹿子や我〳〵が跡(あと)を弔ひ下され
よと申置終に弐百六才を一 期(ご)に
して終にむ空(むな)しくなりにけり