翻刻
かみなり
ふう神
かたへ来り
かねもうけの
そうたん
ぬしもわしも
へつに
ほねのおれる
事てもなし
あつらへにして
あめかせ□【あめかせを】
ふらせうもの
ならはぜにかねは
つかみとりど□【つかみとりどう】
でもふきたい
とき□□□□ゝ【ときとわがまゝ】
もなら□□□【もならねとも】
そのかわりには
かのものさへ
たく
さんなれは
またとんな
おこりても
てきる
きかうが
しやうち
なれは
ぐつと
にぎやかな
所へでたなを【出店を】
たすつもり
たとはなし
けれはしこく
おもしろい
なにしやうちさと
のみこみ
日よりの
ほうが
かつてが【勝手が】
よいからてんきさへよくは
ちやふやうにして
とんしやくはせま□【い】では
ある
まいかと
おつりき【乙りき】
な
所へ
こゝ
ろ
づく
【乙りき:変わった様子】
【台詞。かすれは別資料で補う】
〽みせを
だしても
ちよく〳〵 見まわすは
なるまい
□しが【わしが】
□□□□□【しまつたは】
人か
いや
かろう
現代語訳
雷が風神のかたわらに来て、金儲けの相談をした。
「お主も私も、別に骨の折れることでもなし。注文に応じて雨風を降らせようものなら、銭金はつかみ取りどうでも吹きたい時と我がままもならねども、その代わりには、かの物(金)さえたくさんなれば、また どんな 怒りでも 出来る 気合が承知なれば、ぐっと賑やかな所へ出店を出すつもり」
と話したところ、至極面白い。
「なに、承知さ」と呑み込み、「日より(晴天)の方が勝手がよいから、天気さえよくば、茶舗様にして、頓着はせまい(気にしない)ではあるまいか」と、乙りき(変わった様子)な所へ、ここぞと心づく。
【台詞】
「店を出しても、ちょくちょく見回すのはなるまい(いけないだろう)」
「わしが始末したのは人か、いや軽う(軽い)」
英語訳
Thunder came to Wind God's side to discuss money-making schemes.
"Neither you nor I need to do anything particularly strenuous. If we make it rain and blow wind on demand, we can grab money however we like. Even though we can't always blow when we want or act selfishly, in exchange, as long as we have plenty of that stuff (money), we can muster the spirit to handle any anger that arises. So I'm planning to set up a shop in a lively place."
This was quite amusing to hear.
"What, I agree," Wind God said, understanding. "Fair weather is more convenient, so as long as the weather is good, we can run it like a tea shop without much worry, can't we?" At this strange turn, he realized this was the perfect opportunity.
[Dialogue]
"Even if we open a shop, frequently checking on it wouldn't be proper."
"What I dealt with - was it a person? No, it was light (trivial)."