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【将門と純友】
つぎてゐ
たりければ
純友(すみとも)怪(あやし)みてその故(ゆへ)を
問(と)ふに将門か曰(いわく)抑(そも〳〵)此(この)平(へい)
安城(あんぜう)は桓武(くはんむ)天皇(てんわう)延暦(ゑんりやく)
十二年 此地(このち)に移(うつ)されてより
連枝(れんし)相續(あいつゞき)て位(くらい)を踏(ふむ)
我(われ)も桓武(くはんむ)の流(なが)れに生(むま)れ
なから奴僕(ぬほく)と同しく枯(くち)
はてんはくちおしきこと也
我 聊(いさゝか)おもひ立事の候 与(くみ)
し給(たび)てんやと申けれは純
友 欲心(よくしん)熾盛(しせい)のぶこつもの
なれば早速(そうそく)に領掌(りやうじやう)しより〳〵
叛謀(むほん)の計(はかりこと)を企(くはたて)ける後(のち)将門
同時(とうじ)に兵(へい)を起(をこせし)は此時(このとき)よりの根ざし也
現代語訳
【将門と純友】
ずっと座っていたので、純友は怪しんでその理由を問うた。将門が言うには、「そもそもこの平安京は、桓武天皇の延暦十二年にこの地に遷都されて以来、皇族が代々位を継いでいる。私も桓武天皇の血筋に生まれながら、奴僕と同じように朽ち果てるのは口惜しいことである。私は少し思い立つことがある。味方になってくれるか」と申した。純友は欲深く血気盛んな武骨者だったので、すぐに承諾し、それ以来謀反の計画を企てるようになった。後に将門が同時に兵を挙げたのは、この時からの因縁である。
英語訳
[Masakado and Sumitomo]
As he had been sitting there for a long time, Sumitomo found this strange and asked him the reason. Masakado said, "This Heian-kyō has been the seat of successive imperial branches since Emperor Kanmu moved the capital to this location in the twelfth year of Enryaku. Though I too was born of Kanmu's lineage, it is regrettable that I should waste away like a common servant. I have something in mind. Will you join me?" Sumitomo, being a greedy and hot-blooded warrior, immediately agreed, and from then on they began plotting rebellion. That Masakado later raised troops at the same time stems from this moment.