Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション3

BnF. Département des manuscrits. Japonais 347 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 347 - ページ 52

ページ: 52

翻刻

【命を承る御厨三郎将頼ヵ】 東國(とうごく)には平(たいら)将門(しやうもん)逆心(きやくしん)日(にち)〱(〳〵)に増長(そうぢやう) し先(まつ)隣國(りんこく)を討ほさんと宗徒(むねたう) の一 族(ぞく)を集(あつめ)合戦(かつせん)の評定(ひやうちやう)區々(まち〳〵)也(なり) 爰(こゝ)に平の兼任(かねとう)といふものあり 常陸(ひたち)の大掾(だいじやう)国香(くにか)の三 男(なん)貞盛(さだもり)の 弟(をとゝ)将門とはいとこなりかゝる 企(くはだて)ありとはしらず催(もよふ)しに 隨(したが)ひ列座(れつさ)してゐたりしか 評議(ひやうぎ)終(おわり)て皆(みな)〱退去(たいきよ)す 兼任(かねとう)も何気(なにき)なき体(てい)にて 去 出(いで)て心(こころ)によろこび駒(こま)を はやめて常陸(ひだち)に帰(かへ)りぬ あとにて将門(まさかど)申けるは今日(けふ) の参會(さんくわい)に諸人(しよにん)のまうす 異見(いけん)を申 出(いで)ら るゝに独(ひと)り兼(かね)

現代語訳

【命を承る御厨三郎将頼か】 東国では平将門の謀反の心が日々に増長し、まず隣国を討ち滅ぼそうと、主だった一族を集めて合戦の評定を行ったが、意見はまちまちであった。 ここに平兼任という者がいた。常陸大掾国香の三男貞盛の弟で、将門とはいとこの関係であった。このような企てがあるとは知らず、催しに従って列座していた。 評議が終わって皆が退去すると、兼任も何気ない様子で立ち去ったが、心中では喜んで馬を急がせ、常陸に帰った。 その後で将門が申すには、「今日の参会で諸人が申し出た異見を聞いたが、ひとり兼(任のみが何も)」

英語訳

[Mikunari Saburō Masayori (?) Receiving Orders] In the eastern provinces, Taira no Masakado's rebellious intentions grew stronger day by day. Planning first to subjugate neighboring provinces, he gathered his principal kinsmen for a war council, but opinions were divided. Here there was a man called Taira no Kanetō. He was the third son of Hitachi Daijō Kunika, younger brother of Sadamori, and cousin to Masakado. Not knowing of such a plot, he attended the gathering as invited and sat in the assembly. When the deliberations ended and everyone departed, Kanetō also left with a nonchalant demeanor, but inwardly rejoicing, he spurred his horse and returned to Hitachi. Afterward, Masakado said, "At today's gathering, I heard various opinions expressed by the assembled people, but Kane(tō) alone..."