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再再び君へ御忠信先は爰ぞと【二文字赤書訂正あり】思案して天を祈り
地を拝し何卒此難御救ひ君に御対顔御荷物
差上奉り是迄之寿命なら悲もなし我〻は
命に及ら芫少も悔む事あらじと肝(カン)【左ルビ:キモ】|膽(ダン)【左ルビ:井】|砕(クタキ)き祈
りなれば誠に天も感應やまし〳〵けん八駄の内
六駄焼失せしかとも大切之御荷物弐駄相残し
同廿五日に漸源谷駅迄参着し右之次第物
語や聞者身之毛もよだつて恐けり
一或老僧大|峯(ミネ)登山の心かけゆへ七月二日比軽井沢
辺に通り掛り浅間ケ嶽を見上れば十方よりは
黒雲は矢をいる如くはせあつままり恐し
かりし事なりけりかの邊の者物語廿八日そのころ
は甚厳敷震動し大地の働く其さまは小舟に乗
しにごとくならず其間に響く事大筒を以て天に
むかひ打がごとくにひゞき渡り恐し者共はけじ共
詞有も猶はくされず去共此程は少し静になり
候去ながら焼砂火石降故に河の邊に住居をな
す猪鹿や糜(ビ)狼此辺迄はしり出諸さくを
あらし甚難儀いたし候又狼の其事は
人に取付食ふなり随分用心なるべしと扨しく
思し語りける拝夫ゟも行ば行程猶音は止ざりけり
話之木曽山奉行山村甚兵衛様よりも尾州候 凡 侯(カウ)