みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間山砂降曰 - 翻刻

浅間山砂降曰 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

再再び君へ御忠信先は爰ぞと【二文字赤書訂正あり】思案して天を祈り  地を拝し何卒此難御救ひ君に御対顔御荷物  差上奉り是迄之寿命なら悲もなし我〻は  命に及ら芫少も悔む事あらじと肝(カン)【左ルビ:キモ】|膽(ダン)【左ルビ:井】|砕(クタキ)き祈  りなれば誠に天も感應やまし〳〵けん八駄の内  六駄焼失せしかとも大切之御荷物弐駄相残し  同廿五日に漸源谷駅迄参着し右之次第物  語や聞者身之毛もよだつて恐けり 一或老僧大|峯(ミネ)登山の心かけゆへ七月二日比軽井沢  辺に通り掛り浅間ケ嶽を見上れば十方よりは  黒雲は矢をいる如くはせあつままり恐し  かりし事なりけりかの邊の者物語廿八日そのころ  は甚厳敷震動し大地の働く其さまは小舟に乗  しにごとくならず其間に響く事大筒を以て天に  むかひ打がごとくにひゞき渡り恐し者共はけじ共  詞有も猶はくされず去共此程は少し静になり  候去ながら焼砂火石降故に河の邊に住居をな  す猪鹿や糜(ビ)狼此辺迄はしり出諸さくを  あらし甚難儀いたし候又狼の其事は  人に取付食ふなり随分用心なるべしと扨しく  思し語りける拝夫ゟも行ば行程猶音は止ざりけり  話之木曽山奉行山村甚兵衛様よりも尾州候 凡 侯(カウ)