翻刻
月なり海上|風波(ふうは)の|難(なん)を|恐(おそ)るへし後〻も又然り此前寒風を
|避(さけ)すんは感胃風寒咳嗽眼病皮膚瘡を|発(はつ)せん|依(ふゝて)|乞(こふ)君子
|教(おしへ)て|誤(あやま)らしむることなかれ廿八日此頃|電光(いなひかり)を初て見るべし
|色黄(いろき)なれは|雹氷(あられ)ふる事有赤白は大風有廿九日|彼岸(ひかん)に成
廿日社日今日雨有れは五穀|豊(ゆたか)なり|菓(このみ)は|少(すくな)しとす
【欄外に〇】二月大建辛卯一日己卯|雲気(うんき)を見るべし二日三日考べし四日|春分(じゆんふん)二
月中此前後風雨|繁(しけ)き事もあらんか又朝夕|霧降(きりふる)事も有ん
考へし
二気大陰湿土 《割書:自二月四日|至四月五日》
此仲春ゟ|初夏(しよか)に至り春|暖(あたゝか)にして|暑(しよ)に|赴(おもむ)く時節といへども
余寒有く|自然(しねん)と|湿熱(しつねつ)|移(うつ)して雲|雨府(あまつぶ)にはゝりて雨天多
寒熱こも〳〵|交(ましは)りて風折〻|吹共(ふけとも)|湿乾(しつかはか)ず|自(おのつから)|朦朧(もうろう)たり人身も
此前は身熱咳逆嘔吐頭痛湿瘡胃腹不快等を患へ小児
は痘瘡或頭瘡を|患(うれふ)へし六日十方|暮(くれ)此前後雨考五六日の間を
考見るべし風雨の事も有んか七日九日考へし十二日国所によつ
て|慕風(はうふう)もあらんか海中風波の難を|防(ふせぐ)へし十五日今日を|花朝(くはてう)と
いふ春の|最中(もなか)にて|百花(ひやくくは)|競(きそ)ひ|開(ひら)く|時分(じふん)なれは是を|遊賞(ゆうしやう)する
心ならんか十六日雲気を見るへし十七日今日を|寒食(かんしよく)といふ此日
|唐土(もろこし)にては|先祖(せんぞ)父母の|祭(まつり)をなす事の|侍(はんへ)るとかや十九日|清明(せいめい)
三月前此清明の前ゟ南風を|常(つね)とす|其故(そのゆへ)は|地気(ちき)南より