みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 12

ページ: 12

翻刻

北方の沙汰聞及ひける故人々仏神にぬかつき 祈念奉りけれともやかて黒煙り押あけやけ 音而已ならす震動雷電して砂降来りぬ れは村々さわき鉄炮を打鐘太鼓をならし 時をつくりて逃ける猶又一ノ宮にては人々社中へ 集り釣鐘をつきたて逃ける春夏雲たち あく氷などふりける時かのかねならしけれは 風をこり雲吹ちらし其災のかれける左は有し と此度社天災といわんや時節至来といふへきか 神力にも及難くや有りけん其夜申の刻斗 よりなをも強く降来り八日朝漸ふりやみ ひるには空も晴はたりけれは人毎に田畑見廻りけるに其 薫(カヲ)り酢のこどくいはふのにほひありて草津の温泉 あたり近き香に似たり一ノ宮近在は砂の大きさ鉄鉋玉 位ゟまゆ玉中には茶碗の大きさなるもあり又ふりし 時はそろ〳〵として足をふみこみぞうりわらんじ殊 の外ふみきらしけるゆへ其比はひと〳〵竹にて下駄を 拵へはきける【下駄の絵あり】如此也諸さくのあれたる事何にあらず 一品を用立物無イトヨク生立シ麻モ切残りしは葉を 打落しきづつきしゆへ立かれになり桑も枝 葉を打落しける誠に野山に青きものなくやけ砂六七寸 も見へけれは人々おどろき八日には御領主御やく所へ言上し