みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 19

ページ: 19

翻刻

様も数々御牧有共御私領は何の御沙汰もなく日を 経る侭に蕎麦之蒔時分にも成ぬれは人々開發 に取掛りける前代例なき事成れは何かなる手たて にて埒明ぬへきと人々思ひ〳〵の道具を拵え限りに 情出しける第一克きは鋤簾なり是は此国になき 物也信州ゟ黒鍬といへる者きたり山畑川原へ新田に 開發し畑直し石垣抔請合ける是等之人遣ひ ける道具也土をかきたてもつ篭とやらんに入けるに 利方能きものなりと人々鍛冶をたのみ拵けるいかなる 家に而も壱弐丁四五挺宛調へし壱丁に而五匁七匁五分位 迄のあたへにて其外手鋤の先懸いろ〳〵にて其頃は諸 職人隙にて開発にのみ出ける 鍛冶斗いとまなく昼 夜に細工あり又銭だしかねける人は竹に而拵用ひける 夫にても手 鍬(くわ)よりは埒明ける其外砂入を篭に而作り 車へのせて引も有り又竹へのせ引ける人も有り其外 さま〳〵の手便有りて彼よし是よしといへと能相手にて 持籠え入かつきし方第一よかりし又壱人かつきしもよし 車に而引けるも草臥少くしてよろしけれと砂を高く かさねける時あしかりし兎に角砂敷迫く置ける事を 専一とす町在ともに年寄病身成者留守居して 女童部商人諸職人迄も開ほつに出ぬれば  しのふれどたこに出けり我手をは砂やになふと人のとふまで