みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 22

ページ: 22

翻刻

足を踏かけやうやく上に揚り帯をとき此はしつかた をもたセ又落さるやうに道の中程にありて是を引に 此帯黒ハ丈のやうかん色に成りしか中ゟふつと切て又 落こミセん方なく二人の帯をもて二筋になして是 を便りに漸ひきあけし内彼是一時半もときを移し けれバ漸|夜(よ)に入て本庄の宿に至りけるがいよ〳〵浅間 泥押の様子聞つゝうろたへ騒くはかりなり弐人も夜食 さへたべねば何かな求めはやと思ふに中々もとむる事 かたしやうやく餅少しもとめつゝ是をたへ急き行侭 に熊谷の土手に懸り腹もすきぬれバ漸鴨の巣 【←鴻の巣の誤記?】 の宿に至りぬ夫ゟ次第に砂も少なけれバ道もはかゆ き九日のくれ方に江戸御城半蔵御門外前田の 御屋敷につきしとなり 近年ハ諸國共に陽気柄能諸穀共にいと下直に  て有りしか過し寅年上つかた美濃尾張伊勢中 國不作にして取わけ四国ハ田作壱弐歩是作も同しく 不作成ハなへて困窮に及ひ木の実草の根を堀 てたへつゝ露の命をつなきける由夫ゟ米も 高直成し北ノ国々出羽奥州南部津軽辺天気 あしく寒さはやくきたりにし故田方實のらす 右の国々田方のみにて外作なけれバ餓死の人々多 かりしとや卯年ハ美濃尾張五畿内中国九州迠