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コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 24

ページ: 24

翻刻

けれハおのつから人もおこりつゝ家作衣服にいたる迠 美れいをこのミ侍りぬむかしハ五七年の内にハ凶年もあり て諸國共々穀物高直なりしがしハらく打續豊作にて 米壱石弐斗ゟ四五斗位のとしもあり麦も弐石六七斗 ゟ三石余も賣買あれハひえも四石余にて小幡御 成米三拾壱弐俵位の年もありて作方損なるやうにを もひをのづから不情なり小作いたしてハ徳もなきなと 云つゝ皆買暮しとなりぬ其比は麻もよし蚕も 年々あたりて陽氣がらよろしまゆ絹の直段 もよくことさら細絹ほど利方よきゆへ絹数多くいで きぬれハ世の中ゆたかにして年々奉公人すくなく して給金もまさりなミ男三両二三分麻びきけるもの ハ四両余女子水しにても弐両余もとりける十二三才の 女子迠も一両一弐分の給金にて男子ハ十四五才にも なりぬれハ弐両もとらんといふ前方ハ二月ニ日三日比よりして 町在かたにても奉公人居所をきゝたて市のことく来り其 人躰を見心ざまをもたづね召かゝへけるゆへ慥かなる者をえらミ かゝへしに近比ハ主人の方にて尋廻りやうやくきゝ出し召 抱けるゆへ給金ハのぞみ次第也中にハ不身持なる人をハしれる かたにてハ抱ずして居をくれけれとも後々ハ實躰 なる人よりも高給をとりてたのまれけるこそ珍しき 事也しかあれハこそいよ〳〵不奉公にて主人の難義也