みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 35

ページ: 35

翻刻

天のにくみ給ふにや十年を過さる内家蔵まても賣 払ひ道のはたへ小家をしつらひかけ酒を賣て世を渡 りけるとや後にハ處にも住居成かたく離散しけると也 馬うし泥の中に居て足抜さるを長きさほのうらへ草 なとゆひつけ差出しぬれバ三日程ハ是をくひけるよし 後にハ足の皮たゞれ死すなり 上湯原にて家内四人成しか亭主ハ畑へ出しあとにて泥 押来りけるに三人の者土蔵へ籠りけるに頓而土蔵の下へ 水つきし故二階へ上りけるに亭主立帰り見るに家内の 者居合す尋呼けれハ土蔵の窓ゟ顔を出し是に〳〵と いふ蔵ハ外ゟ地形ひくき所成しか忽水勢ニ而前へ押出し高き まゝね?へ押寄土蔵ハかへわれしゆへ上より手をとり助け出 しけれハ間もなく泥水大きに押来り前なる欠へ押 落し流ける此人常に稲荷を信心しける故土蔵わ れ助りしと其比専ら沙汰有りしとなり 其後程過て或?川はたへ毎夜光りも能見へけれハ里人怪 しと思ひもしや金ニてもうつもれ居たるかと其場を掘 ミれハ川島明神の御論旨也此川嶋明神ハ當国十二 社の内にて神慮明鏡のことし 又有家ニ而主人ハ商に出立帰りてミれハ泥押来り家に 入る事ふ叶して前なる小高き所に登り伺ひミれバ妻子ハ 二階の窓ゟ覗き互に顔見合居たりしか共行てたすく