みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 38

ページ: 38

翻刻

はべりしにやと明る日かのなきからを廟にうつし菩提 所を頼ミ經を誦して供養をなし追善をいとなみ【糸波】けると也 砂降諸木枝葉石砂にて打落八月比新芽吹出し 梨子もゝ其外諸木へ春同前に花咲桑なとも桑 の芽夏同せんにつき處に寄蚕種も出し場所も有之 畑その外砂石重ね片付置し所へ桐の木生しける 又松杦も生しけれど五寸七寸のひ枯けるなり 花曲か峠明神の鳥居石降後かさぎへ腰を懸る如く になる長野原といふ里え半里あまり脇より嫁入し ける人有り夫婦中むつましからすして子供二人有り なから親さとへ帰り居たりしか姉は四才弟は弐歳也 砂ふりける前六日にいたり弥々離縁とさだまるべきよし さあれバ女子ハ母につき男子ハ夫につくならひなれバ ひきとりけると有り此よめ半年も親もとへかえり居た りし故両親ハ孫の事成れハ彼男子をいたわりもり抔 してつねに愛しける中にも此小児に愛敬ありて いとやさしかりきむまれ付なれバ両親ハ彼二才なる孫を 不便に思ひ母の手もとを引分乳はなしケるを悲しミ したしき人を頼ミ娘に教訓を加へ漸得心さセ再嫁と なり七月ハ仏月なり迚六月晦日に長野原へ親子三人 立帰りける程なく七月八日泥押ニ而家内ふ残押流 され娘も孫も死骸さへ見へず泉下の人と成りぬれバ