みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

浅間焼見聞實記 - 翻刻

浅間焼見聞實記 - ページ 39

ページ: 39

翻刻

両親ハ猶も歎き弥々深く再縁なくハおや子三人怪我も せず命はなからへ居へきもの男子ハ夫につくならひ 是を乳はなす不便さに娘に漸得心さセ死にやつ たハ此母なりとて毎日其事くり返し思ひ出して 袖しほり廿日余りも泣暮し終に此世をさりし也 わつか十日の日数のはやき斗にて四人の命を失るも 先の世のえにしにやと哀なりし事とも也又隣村に 夫をきらひ家出しける女ありて親のもとへ帰り居 たりしか此夫一生も縁ハきらしとはや二年あまり過ぬ れと縁きらす仲人をたのミ縁切金少し出しても 去状もらひ度由ねかいけれと夫承引なく月日を   送る内かの泥押夫も家も押流され壱文いらすに壱 人身となりしもあり借金有りて難義しける人も 催促する人なきもありいろ〳〵の損徳あり 七月七日砂降にて當盆前ハ見世棚諸職人組屋 水車等かけ先取集ふ勘定にて難義すへきよし 案しわつらひ早々書出しを引かけ取に出しけるに其年ハ 蚕もなかり相應に金取有りし年なれバ盆前は棚かけ 其外思ひの外に人々勘定致し例年の通りにハ取揚ける 是を思へハ金銭手に持居て云わけわび云をし横にね る心ざしの人はすくなきもの也夫ゟ盆後成御年 貢ハ六七分とさたまり小作金も六七分無尽ハのべと