翻刻
よぎれば小川町松平豊前守殿本郷丹後守殿
焼る裏神保小路北側西の角より一ツ橋通り小川町
東の方片側表猿楽町堀田備中守殿西角より
おしなへて水道橋の辺り迄御籏本衆屋敷焼る
四番の御火除原のつゝき御堀端小出伊勢守殿大沢
右京大夫殿屋敷前より俎板(マナイタ)橋迄のあはひ大路裂る
《ルビ:ほの|火炎》ほは今《ルビ:みさ|真盛》かりなり行〻(ユク〳〵)是もとゞまらねば
あゆみを帰して見やるに一ツ橋御門の左右石垣
いたく崩る此御門を入て右手(ユンデ)【弓手(ユンデ)は左手、馬手(メテ)の間違いか】のかたさまへ行くに
第宅|築地(ツイヂ)あるはつぶれまたは倒れて所せき中を
踏わけつゝ火のあるかたを見るに大手御門向ふ酒井
雅楽頭殿上中二屋敷辰ノ口森川出羽守殿|邸(ヤシキ)焼る
猶和田倉御門の内に《ルビ:ほの|火炎》ほ見ゆ後に聞けば御門内松平
肥後守殿上下二屋敷松平下総守殿西丸下内藤紀伊守殿
焼る松平玄蓄頭殿屋敷焼込又和田倉御番所等焼る
又山下御門幸橋御門内外桜田辺は松平肥前守殿松平
大膳大夫殿松平時之助殿伊東修理大夫殿亀井隠岐守殿
南部美濃守殿有馬備後守殿丹羽長門守殿北條美濃守殿