みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 14

ページ: 14

翻刻

吾地主深川永代町栖原三九郎《ルビ:がか|許》へ訪ふ家は ゆかみ頽(クヅ)れて人〻は例の小路にむしろ敷てをるに しばしがほどはあきれてものもえいはずやがて あつじだつ人に誰かれの安否を訪ふに疵つき煩ふ ものもなきよし《ルビ:いらふ|答》さて吾あづかる所の家〻の ありさまを物語りてかくてはいかで《ルビ:あめかせ|雨風》を しのくべきよろしくめぐみ給へと申せとも地主も 小路のだゝずまひなればしひても申がたくて又の日 猶うかゞひまうすへきよしをのへて帰りぬ 其道すがら小網町を過るに北新堀町より小網町の あはひところ〳〵地裂けたる所ありきこゝらの なゐぶりのさまを心にいたみつゝ家につきぬ職人の 料銭あきものゝ価ひ高うすまじきよしを 《ルビ:お|公》ほやけより令せらるされともなへての職人ともは 金壱分又は弐分受とりあきものは篷筵縄草鞋に 至るまでよのつねの価の一か二分ンを増し《割書:故 に 今 月|十六日十七日の》   《割書:間市中の材木屋荒物屋職人其外家造|普請等に携る者共多く町奉行所へ召捕はる》金壱両に六貫六百銭 なりしも忽ち六貫五百銭になる《割書:銭相場高うすまじきよし|公より両替や共へたゞちに》