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コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 17

ページ: 17

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ありき一寺にさへ《ルビ:かう|斯》あるをとへば江戸の寺院 いくばくかあらん此四五日かあはひ猶身まかりし ものをとりかさねたらんにはいかばかりの数なるべき 既に今日(ケフ)  おほやけより此災に死(ウ)せしものゝ 有数を其筋へおほせてかぞへさせたまへば猶 後に全きを伺ひて記すべしかつ予が年ごろ したしかりし誹諧者流にて災にかゝりて うせしは深川西平野町素雲堂曽|云(ウン)本所三ツ目 逸見甲斐守殿家類翠日庵子来同所緑町 天鼠庵桂雨なり此中曽云の父は紙屋六兵衛とて 本郷春木町に住て未醤醸(ミソツク)りてあきものとし 家富たり吾父は本郷古庵屋敷に酒商ふ家にて 大坂屋藤兵衛といひしか紙屋六兵衛とは 二なき友どちなりきさるを六兵衛身まかりて 嫡子なるものゝ其家も名も継しかど身を花奢 風流に浸(ヒタ)りしかは家やう〳〵衰へしを 二男に譲りてかねて好めるわざなれば遂に誹諧 者流に陥(オチイ)りて《ルビ:なり|活計》はひとす五世雪中庵対山に 【上段】 神田橋御門外 本多侯家来岡氏 柳の屋風斎は北里に 在しか此難にあいて 没せり