みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

よぎらんとするに又徳右衛門町の火地を踏て三の 橋をわたりつゝ南割下水へ出るあはひなべて強く ゆりしさまにて屋敷〳〵おほく倒れ潰る長 崎町の辺りに安西氏巴丈を訪ふにつゝがなし 爰に本所四隅の所〻にありし火地の大概を聞 つれどゆき見ん事も急景【左ルビ:ヒミジカ】の限りあれは南 割下水通りを西ざまに下りて御厩河岸に舟 わたりして八幡大神の在す大護寺門前へ出 浅草寺のかたへ行んとするに三好町より駒形堂の きはまで大路左右皆焼る浅草寺境内を随身門へ よぎりて小|馬(ウマ)道より猿若町に至り火地の有やうを 見るにこゝより吉原千住まで冬の焼野の立 かへるべき春もなきやうに見わたさるあな あはれ〳〵とうちうめかるかゝるか中に火を避れ たる山の宿町なとの家〻にはかの《ルビ:くる|花街》わの《ルビ:あそ|遊女》びか こゝかしこに見ゆ行〻浅草広小路又田原町など 経(へ)て東本願寺へ入り下谷広徳寺前通り東叡山へ 入るになべて倒のあれすさみたる中に山王 【上段】 本願寺裏門 倒る本堂恙なし