みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 22

ページ: 22

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地勢のしからしむる所にてせんすべなし又神社 仏閣は富ケ丘八幡霊岸寺浄心寺本誓寺浅草寺 東叡山中堂天王寺湯島天神抔はいつれもけふ まのあたりに見し本社本堂の平らかに立せ 給ふはげに神仏の奇特あるによれるよし なべての人はおもふめれどさにはあらじ必す ゆり轟けども棟梁四簷おのつから《ルビ:のり|規矩》にかなひて 釣あひよければ傾き僵(タフ)れざる理(コトハ)りあるなるべし こゝらの中にも浅草寺天王寺などの塔の《割書:浅草寺の|塔は事故》 《割書:なくて塔上の九輪曲り傾き天王寺の塔も恙なく九輪は落又|八代洲河岸の定火消役御屋しきの火の見櫓も本は恙なく頭の揺❓》 《割書:又屋根なとは|ゆり落せしなり》事なきを見るにも極めてさる事とはしらる そは根もなき行燈やうのものなとのかゝるをりに ふれて倒れざるがごとくかの弥次郎兵衛とかいへる わらはの玩ひものゝ《ルビ:すう|居》る所によく立るがごときは 皆釣あひに従ふものなりかし又数かぎりなき 橋抔のゆり頽(クヅ)れて落たるも粗見えぬは神仏 おはして橋を守り扶け給ひしなどいふべき すじもなくて是も必頽れ落ましき理 ̄リ