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コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 23

ページ: 23

翻刻

あるによれりさればとて神仏を験(シルシ)にきものと さみしいふにはあらす聊思ふ所の義理をもて 述るものなりかし今日(ケフ)武家方の営作なべて 美麗の費を省き築地なども防禦を凌ぐ までにしつらふへきむね命せられしかば 市中の家〻も見ざまにかゝはらず風雨(アメカゼ)を 厭ふ迄に作り営むべきむねを仰出さる一石橋の 橋台石垣なゐぶりに崩れし後猶おひ〳〵に くつれおつるによりて今日より往来人をとゝめ らる六日|天晴(ソラハ)るけふは家にありきのふ糯(モチヨネ)八斗を 買得て餅肆へあつらへしかはけさ搗て熨餅と いふものにつくりてもて来(ク)とみに予かあつかる 所にをる人〻にわかちあたへ猶のこれるを近き わたりのうがらやがら又したしき中らひへも わかち贈る今日(ケフ)深川大島町に住るものともと歟 党をくみて近き所の破れたる土倉におし入て 米を多く奪ひとりて去りしかば其ものともの中(ウチ) 捕らはれて呉服橋御門の内なる町奉行所《割書:井戸|対馬守殿》へ