みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 33

ページ: 33

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 あたりにそこばくのしるべ又中村呈鴉なとも  訪ふに皆事ゆえなしこゝより家に帰んとするに  不図(ハカラズ)懐旧の志をなすそも〳〵愚夫その  むかし《ルビ:ちゝうへ|大人》に譲られし家を空しく  打|僵(タフ)せし身の幸ひにこたひの難にも潰されさるは  おのづから天性のなす所とは思へどまた  幽冥に在(イマ)す家祖大人(カソウシ)の廃給はで身に添ふ陰(カゲ)と  守らひて扶け給ひしにかと思へばいと  限りなく尊しされは先 ̄キつ日吾祀るべき  墓どころのくつがへりしを発し立へく  思ひしかど老の力におよばすして心にもあらで  帰りしがさらては道に背きたるすぢなれは  こゝよりかの寺へふたゝびまうでゝ在あふ人を  雇ひて墓じるしを起し立てつゝ櫁つみて  奉り額(ヌカ)つきをへて帰るさ此寺に田喜庵護物の  墓在りしかは其ついでに起し立てかの雇人に  銭あたへて聊老婆心をなすこの護物とはむつみ  受りし事もなけれと予も常に誹諧を好むの