みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 34

ページ: 34

翻刻

 癖あるによれる也けり日もやゝ西に傾きしかは  道をいそぎて家に帰りぬ今夜雨降て人〻の  窮迫やう〳〵緩まんとす水府公 御守殿なゐ  ふりに損ひしかは 線姫君様御逗留の為明日  御本丸へ入らせられ給ふよし其御道筋へ觸示さる  十二日|天晴(ソラハ)る《ルビ:つとめ|早朝》て竹こ坊訪ひ来る  其故は今度の天災に家は破れたれど身は傷られさる  歓ひにとて閑月庵に芋汁調じてけふの  翁忌弔らはんと也其厚志手を拍て感す  午の時はかりに介家甘志をいさなひて閑月庵に  まとゐす其人〻介家。流志。先紫。甘志。  立基。花海の六客なりおの〳〵祖翁の  像前に手向る句あり今度の災ひに  遭ひて子来桂雨二老の身まかりし事を  端作りに書つけて〽見し憂(ウキ)を翁につけて  祀(マツ)らずや 介家 又なゐぶりにもゆれさる庵ぬしの  真ごゝろにけふの正当とり行はるゝ  風致の根ざしいと〳〵堅固なる事を思ひてと