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コレクション: STAGE9

やぶれ窓の記 全 - 翻刻

やぶれ窓の記 全 - ページ 38

ページ: 38

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 寒夜に汗あへりしと聞えし如くひとも  我も膽しゞまり冷(ツメ)たき汗流してさらば  今よりかゝる難 ̄ンを防くべき心がまへもせんと  ほりすれとすべき心術もなしたゞなゐ  ぶりの夜の幸ひに風静にして火の神の  あらびを《ルビ:なご|和》してもろ人の死亡をすくな  からしめ浪静にしてわたつみの神の怒を  鎮めて海浦(ツナミ)の愁ひをなからしめ又此秋  《ルビ:たな|禾田》つものよく実(ミ)のりて黎民を安穏ならしむるを  もて末世といへどもかけまくも賢き  大神の御徳記 将軍家の御威光綿〻密〻と  して更にまた地震の蒼天と共に動く  まじきゆゑよしをおほけなくもおもひはかりて  其 御恩沢をかうべにいたゝきつゝありの  まに〳〵書つけて遂に筆を机上に閣(サシオキ)しは  十月十三日しくれの雨の板屋をそゝぐ静なる  ゆふべなりけり