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寒夜に汗あへりしと聞えし如くひとも
我も膽しゞまり冷(ツメ)たき汗流してさらば
今よりかゝる難 ̄ンを防くべき心がまへもせんと
ほりすれとすべき心術もなしたゞなゐ
ぶりの夜の幸ひに風静にして火の神の
あらびを《ルビ:なご|和》してもろ人の死亡をすくな
からしめ浪静にしてわたつみの神の怒を
鎮めて海浦(ツナミ)の愁ひをなからしめ又此秋
《ルビ:たな|禾田》つものよく実(ミ)のりて黎民を安穏ならしむるを
もて末世といへどもかけまくも賢き
大神の御徳記 将軍家の御威光綿〻密〻と
して更にまた地震の蒼天と共に動く
まじきゆゑよしをおほけなくもおもひはかりて
其 御恩沢をかうべにいたゝきつゝありの
まに〳〵書つけて遂に筆を机上に閣(サシオキ)しは
十月十三日しくれの雨の板屋をそゝぐ静なる
ゆふべなりけり