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【右丁】
《箱:第三》 夜討(ようち)の事
▲籏(はた)さし物(もの)具足(ぐそく)なども無用(むよう)にし。きごみを
着(き)いかにもかろ〴〵しく出立(でたち)尤なり。まづ敵(てき)
陣(ぢん)のうしろへ。ひそかに功者(こうしや)なるもの廻(まわ)しをき。
左右(さう)の脇(わき)二町ばかりに隠(かく)し勢(ぜい)を。横鑓(よこやり)にかま
へきせ。先手(さきて)へ景気(けいき)の武者(むしや)百ばかり。時のこゑを
作(つく)りかけ。鉄炮(てつはう)弓(ゆみ)などもうちかけ射(い)かけ。もみ
たてゝ責(せめ)。敵ををびきいだしなば。さくより
一町の前後(ぜんご)にてせめあひ。そらにげし。右の
隠(かく)し勢に横鑓(よこやり)を入させ戦時。廻(まわ)し置たる
【左丁】
からめての勢。小屋中(こやちう)へこみいり。籏本(はたもと)へとり
かけ一もみもませ。様子(やうす)次第(しだい)にはやくひかせ。若(もし)
敵(てき)さはぎうろたへば。惣勢(そうせい)も押(をし)かゝり討(うち)
捕(とる)べし。大形(おほかた)はしたるくせず。こぎりめき
に引とり。朝(あさ)がけを望(のぞむ)べし
《箱:第四》 やもりの事
▲隠(かく)し勢を置 討(うつ)ものなり。夜討(ようち)をし引とるに。
敵 追(をい)いづる所へ。隠勢(かくしせい)の野守(やもり)後(うしろ)よりしかけ。
敵勢(てきせい)と陣(ぢん)屋の間(あひだ)をとりきり。さしはさみて
うつものなり