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【右丁】
《箱:第五》 つゞけ討(うち)の事
▲おなじ夜(よ)にくらゐを見て。二 度(ど)ほども討(うつ)も
のなり。一度うちて引とる時。今夜(こんや)はもはやうつ
事は有まじきと。敵(てき)がた油断(ゆだん)をする所へ。
又つゞけてうつにより。利あるためしおほき
なり。たび毎(こと)に討(うち)やうの手立(てだて)かゆる事かん
ようなり
《箱:第六》 雨風(あめがせ)を侍(まつ)事
▲大 雨(あめ)大 風(かせ)の夜(よ)外音(そとをと)もきこえかね。篝(かゝり)など
も焼(たき)かね。用心(ようしん)不如意(ふによい)なるを討(うつ)事。たれ
【左丁】
もしれりといひなから。此こゝろへ尤なり
《箱:第七》 月(つき)を待(まち)事
▲大 雨(あめ)大風に夜討(ようち)して。いかにも月さやかな
る夜もうち。星(ほし)月夜にもうち。しづかなる
関(やみ)の夜にも討(うつ)ものなり。しづかなる夜に油断(ゆだん)
して。夜討(ようち)などはあるまじきと。敵(てき)思ひ懸(がけ)
もなき所へ。武略(ふりやく)をなしさま〳〵の不意(ぶい)
をはかるべし
《箱:第八》 返(かへ)し討(うち)の事
▲味方 着陣(ちやくぢん)の夜(よ)。物見をつかひくらゐを見。