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【右丁】
才覚(さいかく)し。ひそかによびとり。其外其国の牢(らう)
人をあまた抱(かゝへ)馳走(ちそう)をし。内々とはずがた
りの様に。其国の事をはなさせ。万事(ばんじ)を
こまかにのみこみ。なを〳〵案内(あんない)を知(しる)べき
には。功者(こうしや)なるさふらひを。商(あき)人山ぶし尺八
ふき。猿(さる)まはしはちひらきなどにいで
たゝせ。敵国(てきこく)へつかはし。道はいくすじ。節(せつ)
所(しよ)。沼川(ぬまかわ)。さて城(しろ)近辺(きんへん)の在郷(ざいこう)の様子(やうす)。城中(しろうち)
の広(ひろ)さ。堀(ほり)はいく重(へ)。石(いし)かきはきり石野(いしの)
づら。塀(へい)矢倉(やぐら)。兵粮(ひやうらう)水の手。玉薬(たまくすり)万事(ばんじ)の
【左丁】
地(ち)の利(り)。人 数(しゆ)の多少(たせう)。長臣(ちやうしん)の堅(かたく)不背(そむかざる)諸士(しよし)の
ふうぞくまで。とくと聞(きゝ)さだめ。敵将の事
いふにをよばず。内々の悪(あく)人ゆへに。味方(みかた)よ
りはせむるなり。いよ〳〵敵 悪行(あくけう)につのり。
諸人を迷惑(めいわく)さするならば。味方の大将。た
とひ親(おや)の喪(も)百日のうちなり共。急度(きつと)しゆ
つぢん尤なり
《箱:第三》 城責始(しろせめはしめ)の事
▲先(まづ)よき地形(ちかた)を見立(みたて)。むかい城(しろ)をとり味かた
の備(そなへ)かたくし。そろ〳〵とあひしらひ。自然(しぜん)